結局チャンネル解体はカゲチヨとさとしくんのギブにより早めに終了、全員で執事喫茶をすることになった。一部の女性陣を除いて、だけれど。賑わう店内。思えば保健医を辞めて以来専業だったから、こうして働くのは久しぶりだ。たまにこうして別のコミュニティで活動をするのも悪くないのかもしれない。とても新鮮だ。シディの行動は少しショックだったりもしたが…カゲチヨ同伴で謝罪もされたし、きちんといけないことだと教え込まれ覚えたようだから、彼の勉強として多めに見てやることにしようと思う。彼の行動に悪意や邪心はない、ただ純粋かつ本能的だった故だ。普段は仲間や繋がりを重んじるいい奴だ、水に流そう。
別にホントに喰ったりしないっつーの。女の子も喜んでるしアルマンドとドンペリ入れてくれるって言ってるのに。
注文が入りましたので、と耳打ちをされる。何が入りましたので、だ。だからシディとどっこいくらいに料理上手いんだからお前が厨房いけ!軽く胸ぐらを掴んで諌める。近い、尊い、BL営業助かる、とオーディエンスが湧く。見せ物じゃないんだぞ。俺は真面目に言っている。いー、といがんで厨房へと捌ける。モブ男は何故か未だにカップ麺を作っている。キスよりすごいカップ麺がんばれ。入った注文はパンケーキ。
シディの様子がぎこちない。まぁ、自分のやったことに気づいたのだから気まずくなるのも自然か。気にしなくていいって言ったのに。真面目な奴。温める間にフルーツをカットしソースを準備する。カトラリーやナプキンも揃える。あとは仕上げをして出すだけだ。温めるのも時間はかからないが、間が開くと急かしてしまうなぁ。先ほどからシディの視線を感じたり、感じなかったり。こちらの様子を気にかけているのだろう。タッパあるくせにそういうところがどこか小型犬のように感じてしまう。
お利口、お頭をわしゃわしゃと撫でる。また教育者だからか、こういう幼さのある相手は嫌じゃない。ホールから聞こえるカゲチヨの声。シディに泣きつくような情けない声だ。
背中をぽんぽんと叩いて押すと、ありがとう、と微笑む。ようやく彼に笑顔が戻った。温まり柔らかくなったパンケーキ。トッピングを施してテーブルへと運ぶ。

















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。