いやいやいや …
「当たり前でしょ ? 」みたいな顔で頷かれましても …
私の家は流石に無理なんだけど ⁉
私が1人暮らしならいいが …
まだ私は中学生だ 。
当然 、家には家族がいる 。
「今日出会ったばかりの人と住みたい」
なんて言っても 、許してもらえる気がしなかった
す 、姿を消す … ?
そんな非現実的なこと 、あり得るの ?
思わず耳を疑ってしまう
でも 、この人は妖精だ 。
妖精に人間の常識は通用しない 。
だから 、本当のことなのかも ?
「人間からはバッチリ見えてます ‼ 」
… とかいうオチじゃないよね ?
疑ってしまい少し申し訳ない気もするが …
念のため確認しておくのは大事だ 。
本当に姿を消せるのかも気になるし …
なにより 、妖精の魔法には興味があった 。
目の前で激しく光が出る 。
かと思ったら、光は消え姿も消えていた
すごい … 一瞬で消えちゃった
あまりの早業に声が出なかった
言われてみればそうだな …
あくまでも「姿を消す魔法」なのだから 。
声が聞こえないのはおかしいよね
会話できなきゃ不便だし …
少し自信ありげな声が聞こえてくる 。
魔法の影響で顔は見えないけれど …
多分 、ドヤ顔してるんだろうな 。
再び激しい光が出る 。
そして 、光が消えると同時に姿が見えた
何度見ても凄いなぁ …
どうやら 、魔法は完璧みたいだし …
親にバレないのなら何ら問題は無い 。
寧ろ 、初恋の人と住めて嬉しいくらいだ
iemonさん 、か 。
てか 、結構長い時間話してたのに …
お互いの名前を知らなかったなんて 、不思議だな
... これも妖精の力だったりして ?
2人で浜辺を歩き 、自転車の元へ戻る 。
そして 。
自転車のカギを開けてところで 、気付いた
─────── 私 、おつかい中だったじゃん 、と 。
怒るお母さんを想像してしまい 、思わず青くなる 。
そんな私を見たiemonさんが気の毒そうに言った
初夏の 、暑いある日 。
夏の妖精と一緒に買い物に行くことになりました ⁉
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。