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第33話

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2026/05/09 08:00 更新
翌日、臨時休校。

私は相澤さんが入院している病院を訪れていた。
あなた
しつれーします
相澤消太
相澤消太
どうぞ
あなた
おはようございます
あなた
体調はいかがですか
相澤消太
相澤消太
無事に今日退院できるとのことです
その言葉に頷いて、近くの椅子に腰掛けた。
あなた
お見舞いの品です、よければ
相澤消太
相澤消太
すみません、わざわざ…
相澤消太
相澤消太
あぁそれと、敬語は外してください
あなた
じゃ、遠慮なく…相澤さんも、楽にしていーよ
相澤消太
相澤消太
分かった
少しの間、沈黙が流れる。

彼は少し目を伏せながら、何か考え込んでいるようだった。
あなた
…ね、相澤さん
一言声を掛けると、彼は少し驚いたようにこちらを向いた。
あなた
聞いてもいい?
相澤消太
相澤消太
…あぁ、話そう
あなた
昨日話した特徴の人
あなた
確か相澤さんの同級生だったんだよね?
相澤消太
相澤消太
あぁ、白雲朧という名前でな
相澤消太
相澤消太
A組の三馬鹿…なんて言われたりもしたよ
あなた
三馬鹿?じゃあ、あと一人は…
あなた
あぁ、プレゼント・マイクか
この三人合わせてA組の三馬鹿、ねぇ。

相澤さんがこれに数えられてるのは以外かも。

真面目そうなのに…。
あなた
白雲さんの個性を聞いても?
相澤消太
相澤消太
雲を生成して操る、クラウドという個性だ
あなた
雲…あぁだから、彼雲に乗ってたんだ
相澤消太
相澤消太
昨日から思っていたんだが…白雲と会ったことがあるのか?
あなた
いや?無いよ
年齢差からしても、会えていたとしても

すごく幼い頃。

そこまでは覚えてないからなぁ。
相澤消太
相澤消太
じゃあなぜ、白雲を知っている?
あなた
夢に出てきたんだよね
相澤消太
相澤消太
…夢?
あなた
そう



あなた
(…ここ、どこだろう)
目を覚ますと、そこは一面に花畑が広がる世界。

頭上にはキレイな青空がどこまでも浮かんでいた。
あなた
(夢?にしてはリアルすぎる気が…)
??
はじめまして!
あなた
ッ!?
突然後ろから話しかけられ、咄嗟に身構える。

気配が、感じられなかったッ?!
白雲朧
そんな警戒すんなって!
白雲朧
君にさ、頼みてーことがあるんだ
聞いてくれないか…?

そう言った彼は、どこか悲しそうな顔をした。
あなた
…頼み事?
あなた
う〜ん、内容によるかなあ
最初は警戒していた私も、

彼の屈託のない笑顔を前に、警戒心を解いた。
白雲朧
ショータさ、アイツしょっちゅう無理すんだよ
白雲朧
だからさ、まだ幼い君に頼むことではないけど
白雲朧
ショータのこと、頼んだぜ!
白雲朧
あ、あとショータに…――――
あなた
…え、ちょ、待ってッ!
慌てて彼に手を伸ばすも、

次に目を覚ました時には見覚えのある部屋だった。




あなた
ってこと
私がそう言っても、なかなか反応がない。

どうしたんだろう?

そう思った私は、相澤先生へと目を向けた。

すると
相澤消太
相澤消太
…ッ、(ぽろぽろ
目を精一杯に見開き、涙を零している相澤さんの姿が見えた。
あなた
相澤、さん
相澤消太
相澤消太
アイツ、俺の同級生で…
相澤消太
相澤消太
二年のインターンの時に、死んだんだ…ッ
あなた
無理に喋らなくていいから
あなた
今は…泣いていいから
嗚咽混じりに話す相澤さんの背中を擦る。
相澤消太
相澤消太
俺、ずっとアイツに励まされてたのに
相澤消太
相澤消太
なのにアイツ、そん時にはもう死んでて、
相澤消太
相澤消太
周りの人達は俺一人の成果だって…
相澤消太
相澤消太
アイツが、白雲が居なきゃ絶対にできなかったことなのに
…だから、終いには泣くことすらもできなくなった。

なるほどねぇ。

私は彼の背中を擦りながら、遠くの空に浮かぶ雲を見つめる。
あなた
気休めにしかならないと思うけどさ
あなた
周りの評価なんて、気にしなくて良いんじゃないかな
あなた
白雲さんがいたから、相澤さんは頑張れた
あなた
その事実は変わらない



あなた
なら、白雲さんがそうあろうとしたように
あなた
少しでも多くの人を救けて、多くの人をヒーローにする
あなた
それが、相澤さんのできること
相澤消太
相澤消太
…ッ
相澤さんは泣き止み、すっと前を向いた。

その瞳は、今までに見たこと無いくらい

力強いものだった。
あなた
…ふふっ、良い目だね
あなた
相澤さん
相澤消太
相澤消太
…???
相澤消太
相澤消太
そうか?
あなた
うん笑
私は持ってきていたカバンを持ち、静かに立ち上がる。
相澤消太
相澤消太
行くのか
あなた
んー?この後も任務
相澤消太
相澤消太
忙しいんだな、術師って
あなた
そりゃまぁ、年中人手不足だからね
相澤消太
相澤消太
忙しい中来てくれて、ありがとな
あなた
気にしなくていーよ
あなた
もとはと言えば、こっちの落ち度だ
呪霊相手ではなかったものの、護衛対象に怪我を負わせた。

私が着いていながら。

はぁ…お説教確定コースじゃん。
相澤消太
相澤消太
それでも、だ
相澤消太
相澤消太
あぁそれと、情けない姿見せて悪かったな笑
あなた
ははッ、貴重なんじゃない?
あなた
相澤さんの泣き顔
相澤消太
相澤消太
うるさいよ
あなた
ふふ笑笑
まだ彼の笑顔は少し悲しそうだったけど。

どこか吹っ切れたようにも見えた。
あなた
あ、忘れるところだった
ドアにかけようとしていた手をおろし、

相澤さんの方を向く。
あなた
白雲さんから伝言、預かってるんだ
相澤消太
相澤消太
白雲から…?
あなた
そう



白雲朧
自分のこと、犠牲にしすぎんなよ!
白雲朧
最高のヒーローには、長く生きてほしいからな!
白雲朧
あぁでも不安…ショータ、自分のこと犠牲にしかしねーもん笑
白雲朧
よぼっよぼのおじいちゃんになったら、また会おうぜ!!



あなた
だってさ
私が言うと、彼はまた泣きそうな顔をしながらも、

私に精一杯の笑顔を見せた。
相澤消太
相澤消太
…そうかッ白雲が
相澤消太
相澤消太
ふっ、ありがとうな、五条
あなた
ふふッ、はーい笑
少し微笑んで、私は病院を後にした。







黒と白。

黒にどれだけ白を注いでも真っ白にはなれないけれど

白に少しの黒を注げば、黒に染まってしまう。



霧と雲。

一見同じものに見えるそれの違いは

地面に接しているか、空に浮いてるか。

ただそれだけ。




白雲さんは脳を弄られて、ヒーローからヴィランの黒霧になり。

そうなってしまえば、二度とヒーローに戻ることができない。



白雲さんは雲のようにふわふわと

どこか私達の手の届かない場所に行ってしまったけれど。

黒霧は霧となって、地面に拘束されてしまった。


























…皮肉なもんだね。













最後のとこ頑張った😏
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ありがとうございます💖
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本当に感謝です🙇‍♀🥲

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