前の話
一覧へ
次の話

第2話

左手にはトマトジュース。
77
2022/08/31 13:20
全てに関して無気力になった私は、鏡を見るのが大っ嫌いだった。



















自分の顔にムカついた。






平気で学校に行かず、ダラダラした生活が2ヶ月続いていたからだ。


















私は元々「不登校」という言葉が嫌いだった。
















なぜなら、お兄ちゃんが不登校だったから。







そんな不登校のお兄ちゃんの裏で、いつもママがないていることを知っていたから。





不登校という言葉が嫌いだった。



不登校という存在も嫌いだった。





私が一番嫌いだったことっていうのは、1番は親を困らせることだった。












覚えている限り9歳ぐらいから大人の顔色を見ながら、生活してきた私。







周りに合わせればそれでいい。自分の意見なんてどうせ受け止めてくれない。それが私だから。













親に何か提案された時、嫌でもやった。悲しい顔を見たくなかったから。困った顔を見たくなかったから。














だから、親を泣かせる兄の存在が、不登校の存在が大っ嫌いだった。













だから、私は親を困らせる自分が大っ嫌いになった。













困らせるなら死んだ方がマシと考えた。











その日からだと思う、左手首にはトマトジュース。





左足には引っ掻き浅く削られた皮膚。















自傷が辞められなかった。

プリ小説オーディオドラマ