タイマーがピッピッピッと音をたてて、時間が進んでいく。
あなた「まつ…だ…」
松田「おい!!大丈夫か?!」
頭がガンガンする。力が入らない。
それでも
あなた「あの顔…ざまぁみろ…あいつの焦った顔…見れて…気分いい」
松田「それよりここを脱出しねぇと!!」
松田はその辺に私の荷物を見つけて、中を漁る。
手袋が入ってあって、それをすぐに使って私の縄を解いてく。
それでも私の体は動かない。
松田「動けねぇなら、なんでもいい服を貸せ!!お前を持って動かしてやるからッ!!」
あなた「まつだ…」
手袋があっても私の衣服を触れることはできない。それは私の体の一部判定で松田の触れる対象外。
手袋つけていても出来なかった。
松田「じゃあなんでもいいッ!ドライバー1本ありゃ、爆弾を止めてやるッ!!」
あなた「もって…ない」
松田の冷たい手が私の手を手袋越しに強く握ってくれる。
松田「クソッ!!お前根性出せよッ!!」
松田の必死な声がよく聞こえる。
それでも、体は動かないし、むしろ眠気すら感じる。
あなた「わたし…ね…松田と…会えて…本当に…楽しかった…」
僅かながらに松田の手を握ってみる。全然力入ってないや…
松田「何言ってんだよこんな時にッ!!さっさと動けよッ!」
私は話を続ける。
あなた「昔っから自分がね…気持ち悪くて…嫌で…まわりはみんな楽しそうでも…嫌なこと思っちゃって…」
あなた「ずっと…楽しくなることがなくて…」
あなた「大人になっては…煙草とお酒が救いだった…」
あなた「そんな時に松田…が幽霊になって…私のとこ…来てくれて」
あなた「本当に…楽しかった…」
あなた「私のとこに…来てくれて…ありがと…う…」
力は出ないのに涙はポロポロ出てくる。
誰にも弱音なんて吐く相手は作れなかった。
まわりにもいたんだろうけど
信じれるのは自分。
親なんて助けになる存在なんて思ったことない。
そんな中、松田に出会えて楽しくて素の自分でいられて、楽で居心地よかった。
松田「おまえッ……今言うことじゃねぇだろッ…」
タイマーの数字はもう1:30を切っていた。
あなた「…それとね…松田ってさ…なんで幽霊になって…私のとこ来たの…?」
あなた「分かってるでしょ…?死んだ自分が1番…ここにいる理由…」
あなた「教えて欲しい…」
血の味がして、目がぐるぐるまわる感覚に心底吐きそう。
それでも、私自身の疑問を解決したかった。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!