病院に辿り着き、
大きな息を吸う。
すると、ユンギさんにぎゅっと手を握られる。
嬉しくて、握り返した。
こくっと頷き、歩き出す。
屋上の階段をのぼり、
屋上の扉を開く。
そして、そこにはすらっと背が高くて、
艶のある長い髪をなびかせてはる人がいた。
まちがいない、、、
顔は痩せこけ、不健康な感じをかもしだしていた。
駆け寄ってくる母親。
私は、なんの不信感も抱かずに、
それを受け止めた。
母が何をするのかなんて考えてもいなかった。
腹部に違和感を感じ、そこを触ると、
とろっとしたものが手につくのがわかった。
血だ、
気付いた時には腹部から大量の血。
そして、コンクリートの地べたに体を打ち付ける。
ユンギさんが私の体を抱き上げ、
母を睨む。
すると、ユンギさんはドアの向こうに向かって、声をかける。
すると、ドアからたくさんの警察官、そして、防弾少年団のみなさん。
母とするがは取り押さえられる。
そこで私の意識は途切れた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!