潔
そう思って世一くんの方を見るけどこちらの視線に気づかずサッカーの試合を観ている
邪魔するのも申し訳ないからいつも私は大きなぬいぐるみにハグして気を紛らわす
今日も言えなかった、、
落ち込みながらはぁ、と溜息をつきながらぬいぐるみを抱きしめ直そうとしたら
彼がこちらを見て話しかけてきた
聞かれた時にも素直に言えない私はまた誤魔化した
いつまでもクヨクヨしている自分に嫌気がさして、2階に避難しようと立ち上がるとグイッと腕を引かれた
気がつくと、ソファーに座る彼の腕の中にいた
そう言いながら彼は優しく頭を撫でてくれる
気づいてくれたのかな世一くんは
嬉しさのあまり、思い切り彼に抱きつくと嬉しそうに笑いながらもっと強く抱きしめてくれた
それ以降彼は、私の視線を感じると
と言いながら腕を広げてくれるようになったし、私も素直にぎゅってしてと言えるようになった
蜂楽
でも廻くんは今ソファーに座ってくつろいでる
いつも忙しくてなかなか休む時間を取れずにいる彼にとって、今はきっと大事な休憩時間
そんな時に私のわがままを言う訳にはいかない
私は廻くんから視線を逸らして、隣にあった大きなぬいぐるみに顔を埋めた
廻くんにもこう出来たらいいのに...
そんなことを思っていると、ぎゅっと後ろから抱きしめられた
いきなりのことに驚き、ぬいぐるみから顔を離すと
ニコニコしながらそう言ってきた
そう言って先程よりも強く抱きしめて来た
そっか、私は彼にとって癒しになれてたんだ
物凄く安心した私は、廻くんの胸に顔を埋めた
それ以降、私がぎゅーしたいなんて言うまでもないくらい、毎日ぎゅってしてくれるようになった
凪
そう思って誠士郎を見つめるも、ゲームに集中していて気づかない
いきなり抱きついたらびっくりしてゲームオーバーになっちゃうかもしれない
そしたら、何、邪魔なんだけどとか言われちゃうかも、、、
そんなネガティブな思考が働いたため、私は彼に抱きつくのを諦めて大きいクマのぬいぐるみを抱きしめてごろんと寝っ転がった
太陽の光が心地よくてそのまま寝そうになっていると
と、彼に名前を呼ばれた
そう言って彼の方を見ると少しムスッとしながら
と自分の膝の上を叩いた
混乱しながらも大人しく膝の上に座ると
そう言って私の身体の向きを変えてきた
いきなりどうしたんだろう
そう思っていると私のことをぎゅっと抱きしめて
と呟いた
もしかして
興味本位でそう聞くと、だったら悪い?と少し睨まれた
あまりにも彼が可愛かったから思わず抱きしめると、彼は驚きながらも抱き締め返してくれた
...どうやら彼は、私がぬいぐるみで気を紛らわせてたことに気づいていたようだ
ゲームばっかりかと思ったら案外ちゃんと見てくれてるんだな
と安心した私はそっか、と言って彼の頭を撫でた
それ以降、彼はずっと抱きついてくるようになって離れてくれないし、私が枕やらぬいぐるみやらに抱きつこうとすると間に割り込んでくるようになった












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。