撮影の合間、
あなたの下の名前は一人で外の空気を吸っていた。
考えないようにしても、
考えてしまう。
そのとき、隣に人の気配。
振り向くと、ヒョンソクだった。
上着を肩にかけるでもなく、
ただ、同じ距離に立つ。
その言い方が、
“リーダー”ではなく
“一人の人”だった。
ヒョンソクは前を見たまま言う。
ドキッとする。
一度、言葉を切る。
あなたの下の名前は、何も言えなかった。
ヒョンソクは、ゆっくりこちらを見る。
責めない。
押しつけない
ただ、事実だけ。
でも、
何も思ってない顔もしない
その言葉が、重く胸に落ちる。
近づかない。
でも、離れない。
少しだけ、柔らかく笑う。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!