モモを抱えて森を歩いてみるも、オオカミさん本人はもちろん動物1匹見えなかった。
いつもはモモの新鮮な匂いに釣られてか、いろんな動物が出てきてくれるんだけどな…。
天気でも悪くなるのかな、とか考えて空を見上げてみるも雨が降りそうな気配はない。
清々しいほどの晴天。
気の所為だけど、世界に1人きりになったみたいで寂しさと微かなワクワクが胸に広がる。
いつもは行かないところまで行ってみようかな。
お母さんもおばあちゃんも、近所の人たちとお話してるだろうから少し遅くなっても怒られないだろう。
私が動物が好きで夢中になっちゃうことは知ってるだろうしね。
森の奥まで進んでみてもやっぱりいない。
ガサガサ、と後ろから音がしてくるんと振り向くとほこにいたのは知らないオオカミさんだった。
あのオオカミさんとは違って赤毛でもないし、それに多分あの狼さんよりも大きい。
真っ黒なオオカミは恐怖を煽る。
だからかな、誰もいなかったのは。
このオオカミがこの当たりを彷徨いていたのだろう。
みんな怯えて出てこない。
わたしも、逃げないと──────。
そう思うのに、怖くて足が竦む。
だってだって私が今までかわいいと称してきたのは草食ばっかで。
あのオオカミさんだって、あんな攻撃的な眼差ししてなかったから、
すごくすごくこわかった。
逃げ、ないと。
食べられちゃうよ。
童話の中みたいに。
オオカミさんはずるくて、強くて、こわくて、凶暴だから。
だから見つかる前に逃げないと。
匂いでバレちゃうけど、もしかしたら見逃してくれるかもだし。
森の木々や花々が私の匂いを消してくれるかもだから。
まずは、逃げないと。
目線が下がる。
どこか穴にでも落ちたのかな、とも思ったけどズキズキと痛む膝がそうじゃないって教えてくれた。
そもそも移動できてないんだから穴に落ちることもないんだけどね。
立たないと、と力を入れてみるも全く入らない。
調子に乗って遠くまで来たからお母さんたちが助けてくれることもない。
きっと近くにいるであろううさぎさんたちが出てくることは無い。
出てきたら食べられちゃうもん。
牙を剥き出しにして、ヨダレもたらしてそう言う姿は悪魔のように見えた。
本当に翼もあるように見えたんだ。
それくらいこわかった。
ガクガクと震える足は機能を失って使い物にならない。
モモだって3つしかないのだ、こんな大きなオオカミのお腹をふくらすには足りない。
それにこのももはあげたい人がいるから、このオオカミにはあげたくない。
1歩1歩近づいてくる。
こわい。
私たちみたいに山で暮らす女の子にオオカミさんがこわいと伝えられているのと同様に、オオカミさんのほうでも報復にやられたことの恐ろしさは伝わっているようだ。
なんとなく不思議な気持ちも湧いてくる。
今の所恐怖8割って感じだけど。
ふわっと赤が目の前に現れる。
赤いオオカミさんを退けようと黒いオオカミさんが手を伸ばす。
それを易々と掴み防御をとる。
それの繰り返しだ。
黒いオオカミさんはヤケクソ状態になって、腕を振り回し始めた。
それが何回か赤いオオカミさんに当たってオオカミさんの綺麗な顔からは血が滴り落ちた。
ケッ、と吐き捨ててモモだけ盗られて帰っていく。
モモを失ったことはすんごく悲しかったけど、それよりもオオカミさんの怪我の方が気になった。
そう冷たく言い放つオオカミさんの瞳はなにも映していない。
もう一度冷たく言われて、今度はなにも言わずに走り去ってしまう。
嫌われちゃったかな…?
助けてもらってまた助けてもらってなにも返せてないもんね。
でもここに来るのも迷惑なのかもしれない。
モヤモヤと悩んでみたが、答えは出ない。
とりあえずまた助けてもらうような事態にならないようにしないと、だよね。
小さくため息をつくとどこからか同じようなため息が聞こえてきた。
もう、会えないのかな。
***っていう名前のキャラクター名募集します
ネーミングセンスが壊滅的すぎて、むりなのでまじで募集させてください
それと
背景濃い紫に赤で文字とかかっこよ過ぎて死ねるて。
また次出てくることはあるのでしょうか!!
((次を書いてないので知りません!!!














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。