夕食もお風呂も済ませた夜。
あなたと壬氏がようやく2人きりの時間を期待しはじめたとき、
子どもたち――雪蘭と凌雲は、まだまだ元気いっぱいだった。
そのとき、壬氏さまがあなたの耳元にそっと顔を寄せ、しっとりと囁く。
あなたは思わず微笑み、「お願いします」とそっとうなずく。
壬氏さまは子どもたちの寝室に行き、普段よりも張り切って
「さあ、そろそろお休みの時間だぞ」と優しい声で寝かしつけを始めた。
だが――
はじめは微笑ましく対応していた壬氏も、だんだん焦り始める
しかし、2人は全然寝る気配がない。
うっすら焦る壬氏。それでも優しく頭を撫でながら、物語を語り始める。
ところが、話が盛り上がると雪蘭も凌雲も、ますます元気になってしまう。
壬氏さまは何度も「そろそろ寝なさい」と優しく、時にちょっと不器用に子守唄まで歌うが、
ふたりの子どもは可愛くじゃれついてきて、なかなか寝付かない。
やっと雪蘭がうとうとし始め、凌雲も小さくあくびをして布団にくるまる。
壬氏さまは息をひそめて、あなたが待つ隣の部屋のふすまを開ける。
やっと2人きりになれた安堵とともに、思わずあなたの肩に額を預ける。
あなたは優しく笑い、壬氏さまの頬をなでる
壬氏さまはふと悪戯っぽい微笑みを見せてあなたを抱き寄せる。
ようやく手に入れた2人きりの夜は、
子どもたちのぬくもりも、いとおしく感じながら――
愛しさがいっそう深まる、幸せな夜となった。















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。