ここは空き教室。
隣は普通に教室だし、ここの前を通るのだって珍しくはない。だから、大きな声を出していたら聞こえてしまうかもしれない……って、目の前で喘いでる彼はわかっているのだろうか。
多分、聞こえてない。いや、聞こえてるのかもしれないけど、僕がなんて言ってるかまではわかんないんだと思う。声を抑えようとする素振りはないし、なんなら大きくなっているまである。
バレたらヤバい。不良のいふくんが裏では犯されてるって知られたら……いいことはない。
煽ってくるのはいふくんだし、僕にはなにも被害ないし。……いっか。
いや、バレてはない。まだ、バレてはないんだけど……あんだけ煽って喘いでってしてたいふくんは、もう疲れちゃったみたい。無防備に目を瞑って寝息をかいている。
……たまに喘ぐのはやめてほしい。
このままにしておくわけにもいかないし、仕方ないから今日は僕の家に連れて行くことにした。好きな人を家にあげるとか初めてだけど、きっと大丈夫…だよね…?
とりあえず服だけ着させて、背中に乗せる。身長差結構あるし持てないかなって思ったけど全然余裕だった。
心配なくらい細いから、今度弁当を作ってあげよう、なんて心に決めた。
うい。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!