ルンルン気分で茶道室へ向かう。
天音さんとは、晴れの日の朝には会うが、雨の日になると会えなくなる。
梅雨の時は天気を恨んだものだ。
だが、今は秋。雨が降る日もあるが、晴れの日が多くなってきた。
そこまで、心配はしていないのだが、文化祭の日の降水確率を見た。
すると、降水確率が60%だったのだ……
仕方がない話であると分かっているが、雨が降らないことを降らないよう祈ることしか出来ない自分も嫌だった。
そんなことを思いながら、茶道室へと急いでいた。
茶道室につくと、ながーい行列が出来ていた。
まあ、ここら辺では茶道部が珍しいので、行列が出来ていてもおかしくない。
そうして待った茶道部への道のり。
なんと、天音さんはいなかった!
いなかったのだ!!
もう、もはや、天音さんに会えるという期待が膨らんだ
風船はしぼんでしまった。
シンデレラの役は主役だ。準備に時間がかかるのは承知
なのだが、やはりこうして会えないとなると、とても
寂しい気持ちになった。
こんなに人を好きになったのは初めてなので自分でも
驚いている。
会えないのは仕方ないことなので、みんなと合流しよう。
というか、気づけば静はいつの間にか居なくなっていた。
静を探すべく、こうして、白銀高校を旅することになったのだった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。