何で入間くんが……、こんなところに戻って来てんの
街を出て行ったはずでは?
私が困惑した表情で名前を呼ぶと、入間くんは少し緊張した表情で話し始めた。
え、私入間くん助けた後に何か言ったっけ()
………、って言ったか…
うわッ、…余計なこと言っちゃったぁ…………、絶対あんなこと言わなかったら入間くんこの街に戻ってくることなかっただろ!!
頭を抱える私に、入間くんはきょとんと見つめ返した。……流石に分かんないよな……
でも、…お返し…って意味が分からない。
何故ゆえ私に?
確かに助けたのは本当だけど、そんなお返しを貰うほどでは……、お礼だけで十分よお姉さんは。
入間くんの隣にいる背の高いおじいさんに聞いた。
そうすると私の気持ちを察したのか、おじいさんはこう返答してきた。
この人に聞かなければ良かったかも、…すげぇ愛があるじゃん。…こういうの何て言うの…?ブラコンでもねぇし…
いや、……あんなの決めゼリフに過ぎないですって!おじさま!!わざわざ聞かなくて良いんですってそれは!!
純粋な子供に言っちゃ駄目でしょ!自分!
しまった……と過去の自分を責めながらも自分は少し考えて、入間くんと目線を合わせて言った。
何とかして入間くんを説得しようとする。…本音は仕事貰えるから嬉しいけど……入間くんは優しいからこの街できっと、自分で働いて困っている人を助けてたんだろうね
自分の事なんか気にしないで……さ
そうやってたら、いつかお姉さん見たいになっちゃうよ。……、昔だけど
そう言うと、入間くんは渋々ながらも
と言ってくれた。…入間くんは優しいね
……いや確かに自由とは言ったけどさ?…入間くん…
私のことを気にしないでと言ったよね!?
おっと?おじいちゃん??
はっ……つい給料にのせられてしまった………!!、
うんもうほらね??入間くんのね??顔がね?パァッってなってるね?
やっちまった………
パンパン
そう言っておじいさんは、手を叩く。すると目の前には、めっちゃくちゃ長い文章の契約書があった。
こっわ……、…怖いよこの仕事!!
心の中で本音を言って、咳払いをし。改めて入間くんの前に立った。
ちゃんと分かってるのかな………、この人
とここで、初めて入間くんの前で名前を出した。
……バイトじゃなくて就職しちゃったんだけど!?またかよっ!…せめて護衛だけであってくれ!!
「では案内するね」と言われて私もおじいさんに着いていった。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!