第121話

新章13
64
2025/12/22 07:51 更新


―――No Side 夜中 イーストン魔法学校



アビスとの戦闘を終えたマッシュは、今まさに神覚者――レイン・エイムズに止められていた


そのレインはこちらに杖をかまえ、横に目に数字があるクモを連れていた
レイン·エイムズ
今からこれで、お前の本当の魔力をはかる
レイン·エイムズ
学生かどうかは数値で判断する


「え。そんな……」とマッシュは呟きながら、シュークリームを食べていた手を止める


次の瞬間、鋭い刃が目の前に向かってきた


二本指で刃先を挟み、向かってきた勢いで後ろにずれながら危険を回避した
マッシュ·バーンデッド
なにするんですか、いきなり。危ないじゃないですか


文句を言うマッシュを横目に、クモの目の数字を確認する


四つある目の数字は、いずれも0を表していた


「ちょっとミスったかもクモ……」と焦るクモを見るに、自身の魔法を完全に素手で凌いがれたことを察するレイン


もしや……、と感じたレインは3%の“パルチザン”をマッシュに向ける


「え」と言ったマッシュは、無数に飛んできた剣を今日に避け、椅子を作っていた
ケイソクモ
ウソだろ……


最早アイデンティティを失ったクモは語尾に「クモ」をつけることを忘れ、全く反応しない数字に、更に焦っていた


魔法を使っていないマッシュから感じる、異質な魔力を疑うレインは、マッシュが無邪気な深淵イノセント・ゼロの類ではないことを理解する
レイン·エイムズ
もう一度だけ試させてもらう


“10% パルチザン”―――先程より更に増えた剣たちが、マッシュを襲う


マッシュは一瞬目を見開き、本能的にローブの内側にしまっていた物を取り出した


正八面体のそれは黒く光り、しっかりと手で掴むと背丈ほどある闇色の大鎌に変形した


そしてマッシュはそれを使い、飛んできた剣を全てバンドの動作で殺しきった
マッシュ·バーンデッド
危ないですね


攻撃が止むと、大鎌は元の正八面体のキーホルダーに戻り、マッシュの手の中に収まった


呆気にとられているクモを他所に、マッシュは手の中のそれをじっと見つめる


そんな中、レインは確信していた


先程の大鎌も、異質な魔力も…………マッシュのそれではないということを。そして彼が、魔法を使えないことを


レインはそんな彼に名前を尋ねた
マッシュ·バーンデッド
……マッシュ・バーンデッドです


その名を聞き、レインはウォールバーグ校長の言っていた、“特殊な事情を抱える二人の生徒”のことを思い出す


「そうか、お前がその一人か」と呟いたレインは、マッシュに一連の非礼を謝罪した
マッシュ·バーンデッド
うーん……まあ、コレの能力もちょっとわかったのでいいですよ
レイン·エイムズ
それから発せられる魔力……お前のものじゃないだろう…………妹のものか?
マッシュ·バーンデッド
え…………僕のですけど


図星だったようで、マッシュは少し視線を泳がせた


その隙にサッとキーホルダーをしまう


レインはお詫びとして、軽傷を負っているマッシュにウサギ柄の“巻けば傷が癒えるハンカチ”を渡した


多少マッシュは柄に引きながらもそれを受け取る


レインは魔法の使えないマッシュを神覚者候補として認め、激励の言葉(?)を送り、その場をあとにした
































レイン·エイムズ
あの魔力…………


マッシュと別れて少しした頃、レインは一人、呟いていた

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