怪我が治った私は、モニターで選手達へ帰還のメッセージを言っていた。長々とした絵心の話が終わると、各選手は練習へ行く。怪我が治った私は、モニターで選手達へ帰還のメッセージを言っていた。長々とした絵心の話が終わると、各選手は練習へ行く。
私もいつも通りの仕事場へ着き、割り振られた仕事をこなす。いつものブルーロックだ。
…前言撤回。やっぱり全くいつも通りじゃない。あの襲撃事件以来、妙に私に優しい人が増えたのだ。
特に御影、凪、黒名、蜂楽には困ったものだ。謝り倒されたと思ったら何をするにも手伝おうとして来るし、細かすぎる気遣いが多い。
いやそこまで来ると新手の痛がらせだろうか?と思ってしまう程、全員が妙なのだ。
後ろから感じる潔君の視線がえげつないし、萌葱も選手が私を信用し始めた焦りからか、露骨な煽りや嫌がらせが多い。最近ではボールペン(〇〇万するヤツ)を隠された。
昼食を取りに食堂に行くと、いきなり萌葱が私の前に立ちはだかってきた。私は軽く警戒を兼ねて彼女から距離を取る。
おうおうまた何か言い出したぞコイツ。私は刺激せずに言い返す。
選手達は黙って私達の方を見ている。
私はため息をつく。すると次は萌葱の後ろから数人の選手がきた。そして
だのふざけたことを言ってきた。いや可哀想なのこっちなんだが。コイツらは萌葱を擁護する側の人間らしい。次の瞬間
いささか口が悪いが、潔君が私の後ろから庇ってくれたようだ。そばに居た千切や黒名も萌葱達に言い返す。
顔の良い男に拒絶されたのがショックだったのか、萌葱は顔を歪めると、一目散に食堂から出て行った。
口々に三人は私の心配をしてくれる。
私はお礼を言うと、食堂を出て行った。そして自分の部屋に帰ろうとする。そしたら、何故か萌葱が部屋の前で立っていた。
皮肉を込めて萌葱に話しかけると、萌葱はニタァと君の悪い笑顔を見せた。
萌葱が居なくなると、私は手を顎に当てて考える。
馬鹿なのか?馬鹿だったな。私は扉を開けた部屋へ入る。
私はニヤリと微笑み、部屋の棚を漁り始めた。
萌葱&あなた「「カッターどこだったかな〜♪」」













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。