第25話

いつもの場所まで💛🩷💜(リク
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2025/12/30 14:00 更新
リクエストありがとうございます♪

リクエスト遅くなってしまい申し訳ありません🙇‍♀️

下手くそですが期待に応えられていたら嬉しいです❤︎


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その日は、ただの仕事終わりのはずだった。

謙杜はキャップを深めに被り、スタッフに手を振って建物を出た。夜風は少し冷たくて、肩にかけたバッグを持ち直す。いつもなら何も考えずに歩く道なのに、その日は違った。

少し後ろ。
一定の距離。
止まると、止まる。

確信まではいかない。でも、何度か同じ違和感を感じていたせいで、胸の奥がざわついた。

「……気のせい、やんな」

小さく呟いて歩き出す。スマホを見るふりをして、ガラスに映る後ろを確認するが、はっきりとは分からない。結局そのまま駅まで行き、何事もなかったように帰った。

その夜、グループのLINEはいつも通りだった。
今日の番組の話、誰が一番ボケてたか、どうでもいいスタンプ。
謙杜も普通に返していたが、画面を閉じたあと、少しだけ息を吐いた。

翌日。
駿佑は、すぐに気づいた。

楽屋で隣に座る謙杜が、やけに落ち着かない。いつもなら近い距離でちょっかいをかけてくるのに、その日は無意識にドアの方を気にしている。

「謙杜、どしたん」

「え? なんもないで」

笑い方はいつも通り。でも、駿佑は見逃さなかった。声がほんの少しだけ硬い。

そこに恭平が割って入る。

「なんか今日、空気重ない?」

「恭平が静かやからちゃう?」

「それは失礼やろ」

軽口を叩き合いながらも、恭平の視線は謙杜から離れなかった。

収録が終わり、外に出る準備をしているとき、謙杜がぽつりと言った。

「……最近さ、帰り道で誰かおる気するねん」

一瞬で、二人の空気が変わった。

「一人で帰ってたん?」

「迎え呼んだりは?」

矢継ぎ早の問いに、謙杜は肩をすくめる。

「大丈夫やって。まだ、なんもされてへんし」

その「まだ」が、二人には引っかかった。

その日の帰り道。
三人は一緒だった。

駅までの道、駿佑は自然に謙杜の隣に立ち、恭平は少し後ろを歩く。何気ない配置。でも、完全に意識していた。

そして、角を曲がったときだった。

人影が、立ち止まった。

謙杜の足が止まるより早く、恭平が前に出た。

「……なに見てるん」

低く、はっきりした声。
相手は一瞬固まり、視線を逸らして足早に去っていった。

駿佑は無言で謙杜の手首を掴み、自分の後ろに引き寄せる。

「大丈夫?」

謙杜は少し遅れて、こくりと頷いた。

そのあと、三人はスタッフに連絡し、事務所でもきちんと対応が取られた。恭平は最後まで落ち着いて状況を説明し、駿佑は謙杜のそばから一歩も離れなかった。

全部終わって、ようやく一息つけた夜。
楽屋に残った三人は、ソファに並んで座っていた。

「怖かったら、ちゃんと言えや」

「言われへんかったんちゃう」

謙杜は膝の上で手を組み、小さく笑った。

「……弱いって思われるん嫌やった」

その言葉に、二人は同時にため息をついた。

「何言うてんねん」
「守る側にとっては、言ってくれた方がええ」

駿佑は少し照れたように続ける。

「俺、彼氏やし」

謙杜は一瞬固まってから、吹き出した。

「急に言うやん」

「事実やろ」

恭平はその様子を見て、肩をすくめた。

「ほんま、手かかるやつやな」

でもその声は、どこまでも優しかった。

帰り道。
今度は三人一緒に、いつもの場所まで。

謙杜は、もう後ろを振り返らなかった。
前には、当たり前みたいに並ぶ背中があったから。

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