部屋の窓から差し込む朝日で、俺は目を覚ました。
ゆっくり体を起こし、伸びをする。
———今日はどうしたらいいんだろう。
昨日は色々あって学校を休んだが、今日は俺も兄と一緒に学校へ行くべきなのだろうか。
というか、俺は兄と同じ学校なのだろうか。いや、平野先輩が俺のことを知っていたからそうなのだろうか。
解らないが、とりあえず部屋から出るべきだろう。
そう思いベッドから降りようとしたとき、ノックされた。
扉越しに聞かれた質問に俺は答える。
すると、「おはよう。よく眠れた?」と扉を開けながら再び質問がきた。
すると、何故か悲しい表情をされた。何故だろう。
怖くなって聞いてみると、驚いた表情はしたものの首を横に振った。
そう言われてハッとした。普通兄弟で敬語はあまりないだろう。
恐らくあなたの下の名前も敬語ではなくタメ口で話していたのだろう。
聞くと、沈んでいた表情が一気に明るくなり首を縦に振った。
俺は元一人っ子なため、言い慣れていない言葉なので少し躊躇った。いや、それだけではなく、宮野を兄呼びすることに違和感があるのだろう。
だが、兄呼びしたことは幸をなしたようで、輝くような笑顔を俺に向けた。
そうして兄に連れられリビングに行くと、母親がキッチンに立っていた。
挨拶を交し、今日これからのことを相談すると、俺に判断を委ねられた。
家にいてもしょうがないので、俺は学校に行ってみたいと言ったところ、快く許可してくれた。
学校には事情を説明してくれるそうなので、特に心配はない。いや、SHLが始まるまではクラスメイトも事情を知らないだろうしどうしようか。
まぁ記憶喪失——という設定になってしまった——だと素直に話せばいいだろう。
しかし、行くにしても場所が全く解らない。
どうしようか悩んでいると、兄が提案してくれた。
丁度悩んでいた内容なので、勿論一緒に行くことにする。
それから教えてもらいながら学校の準備をし、いよいよ家を出る。
そうして2人並んで駅へと向かった。















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。