雑談をしていると、ふと思い出したかのようにそう言われた。
普通兄弟のクラスを知ってることはあっても、席まで把握してることなどあまり聞かない。
それほど俺達は仲が良かったのだろうか。
考え込むようにしてうんうん唸っていると、思い出せたのか笑顔でこちらを向いた。
恐らく俺が言うのは辛いだろうと思っての質問だろう。
勿論特に思うことはないため、自分で言う。
そんなこんなで電車に乗る。
暫くすると、漫画で見慣れた姿の男子高校生が入ってきた。
そうして今更ながらに思ったことがある。
元々の俺は一体どういう人間だったのだろう。
明るかったのか、それとも暗かったのか。勉強はできたのか。運動はできたのか。そしてどんな人と知り合いだったのか。色々と思うところがある。
兄や母に聞けばいいのだろうが、今は生憎電車内。
俺がどんな人だったのかを聞けば、それが耳に入ると少し、いや、だいぶいずらいだろう。
なので俺は学校が終わってから聞くことにした。
佐々木先輩も一緒に3人で登校する。
俺がいるからなのかBLの話はなかった。
もしかすると、前の俺はBLを知らなかったのだろうか。
そして学校に着き、靴箱の場所を教えてもらいクラスまで兄と一緒に行く。
教えてもらった席に座り、1時間目の準備をしていると、2人が近寄ってきた。
———どっちが杉浦直久で秋山凌か解らない…。
早めに言っておくかと思い、2人に向き直る。
背中を叩いてニコニコしている男子を見て、こいつはクラスの中心にいるようなやつだろうなと思った。
すると、もう1人の方が俺の異変に気付いたのか、元気な方を止める。
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。