第21話

荒れる
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2024/03/04 08:42 更新
康二
めめー。部活行こー





康二
めめー?…なんや?いいことでもあったん?



そこで初めて自分の顔がニヤけていることに気づいた。








先輩と過ごした時を思い出して思わず顔に出てしまった。







目黒
なんもないよ。早く行こう
康二
おん…



部活に行けば先輩に会える。








またニヤついちゃうかもしれないから、今度はちゃんと意識していこう。











康二
お疲れ様でぇーす
佐久間
お疲れー
康二
今日は何するんですか?
深澤
文化祭の反省だな
康二
そっかぁ



俺はしれっと翔太先輩の隣に座った。








俺が近づいた瞬間に若干体をずらす先輩。










やっぱこの前のことを思い出したのか、ちょっと耳が赤くなっている。








可愛いなぁ…










部室の扉が開き、岩本先生が入ってくる。










岩本先生
じゃ、文化祭の反省会しようか
深澤
はーい




前の大会の時みたいに1人ずつ反省点を述べていく。









全員回って反省会は終わりの雰囲気に包まれた。










深澤
じゃあもう終わりでいい?ね?照
岩本先生
先生ね。あ…あと、もう一つ言っておきたいことがあんだけど…
深澤
え?なに?
岩本先生
あんま言いたくないっていうか、聞きたくはないんだけど。うちの部活、恋愛禁止ルールつくったろ?
佐久間
あぁ〜つくったね
岩本先生
それ、破った人がいるらしいんだよね




俺は岩本先生の顔を見た。










幸い、目は合わなかった。









康二
え…どういうことですか…?
岩本先生
いや…俺もよくはわかんないんだけど。でもやっぱルール決めた以上は破る人出てきたら、他の人も嫌な思いするし。それはみんなわかるだろ?



先生も言葉を選んでる感じだった。





たぶん誰かまでは先生も知らないんだろう。
















岩本先生
今後の部の雰囲気を守るためにも、もしそういう仲になってる2人がいるんだったら、俺に教えてほしい。ちゃんと話し合った上でどうするかは決めようと思う



先生はそれだけ言って部室を出て行った。










あとに残された俺たちの空気感は控えめに言っても最悪。









誰が誰と?っていうのもあるだろうし、先生にそれを告げ口した人がいるっていう事実もあるし。










そのまま部は流れ解散となった。










全員帰って行き、部室には俺と翔太先輩だけが残った。









目黒
…先輩
翔太
…やだ
目黒
え?
翔太
どうせ…別れようとか言うんだろ…?
翔太
だって俺たちのことじゃないかもしれないじゃん
目黒
先輩…
翔太
俺たちじゃなくて他に黙って付き合ってる男女カップルが……そんなのいないか…






先輩の目から涙が一筋流れるのを見た。










泣くなんて思いもしなかったら、俺も驚いてとりあえず先輩を抱きしめた。










目黒
どうしたんですか…
翔太
…やだ。ここまできて別れるとか…
目黒
俺…別れるなんて言ってない
翔太
別れるって言いそうな目してる
目黒
錯覚です
翔太
やだ…





俺は先輩の顔を見た。










目黒
先輩。俺の目見てください



涙を溜めた目で俺のことが見えてるのかどうかはわからないが、やっと先輩が顔を上げてくれた。









目黒
俺の目、先輩と別れたいって思ってるように見えます?




先輩は小さく首を振った。







目黒
でしょ?確かに…ルールは破りました。でも…後悔はしてません。俺…先輩と一緒にいられないなら部活も辞めます
翔太
それは…
目黒
いいんです



もう一度俺たちは抱き合った。





































深澤
やっぱか…


部室の外でふっかさんが小さくそう呟いていたことに気づきもせず

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