そこで初めて自分の顔がニヤけていることに気づいた。
先輩と過ごした時を思い出して思わず顔に出てしまった。
部活に行けば先輩に会える。
またニヤついちゃうかもしれないから、今度はちゃんと意識していこう。
俺はしれっと翔太先輩の隣に座った。
俺が近づいた瞬間に若干体をずらす先輩。
やっぱこの前のことを思い出したのか、ちょっと耳が赤くなっている。
可愛いなぁ…
部室の扉が開き、岩本先生が入ってくる。
前の大会の時みたいに1人ずつ反省点を述べていく。
全員回って反省会は終わりの雰囲気に包まれた。
俺は岩本先生の顔を見た。
幸い、目は合わなかった。
先生も言葉を選んでる感じだった。
たぶん誰かまでは先生も知らないんだろう。
先生はそれだけ言って部室を出て行った。
あとに残された俺たちの空気感は控えめに言っても最悪。
誰が誰と?っていうのもあるだろうし、先生にそれを告げ口した人がいるっていう事実もあるし。
そのまま部は流れ解散となった。
全員帰って行き、部室には俺と翔太先輩だけが残った。
先輩の目から涙が一筋流れるのを見た。
泣くなんて思いもしなかったら、俺も驚いてとりあえず先輩を抱きしめた。
俺は先輩の顔を見た。
涙を溜めた目で俺のことが見えてるのかどうかはわからないが、やっと先輩が顔を上げてくれた。
先輩は小さく首を振った。
もう一度俺たちは抱き合った。
部室の外でふっかさんが小さくそう呟いていたことに気づきもせず











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!