さっきまで降ってなかったのに
さっき降らないといいねって 話したばっかなのに
神様ってほんとにいるのかな
いるとしたら多分敵だな
いや確実に敵だな
先輩ったら我儘だなぁ ……
そんなに奢ってほしいのか ……
先輩ったら正直じゃないなぁ ……
後輩の私が奢ってあげるって言ってるのに ……
シオン先輩の呆れたような声とともに
口になにかを突っ込まれた
私の口にチュッパチャプスを突っ込んですぐに
傘を指して私に入るように促してくる先輩
私はチュッパチャプスを口に入れたまま
まともに言葉を発さず 大人しく傘に入った
傘をさすシオン先輩の向こう側の肩は
既に雨に濡れてブレザーの色が変わっていた
先輩の傘なのに
そう思って遠慮がちに 少し反対側へ寄る
いつもより落ち着いた低い声でそう言って
シオン先輩は私の肩を手前に引き寄せた
まるで漫画のように
なんでバレてるのッ …… ?!
そっちに顔向けてないのに …… !!!
そう言って 隣のシオン先輩を肘でど突いた
へにゃっと , 弱々しく呟いたシオン先輩
整った男らしい顔 , 低い声からは想像出来ない
そんな性格の人だったシオン先輩は
そんなことを思いながら
熱が集まる耳や頬を冷たい手で撫でていた
突然そんなことを言い出すもんだから
雨にも負けないくらいの大声を出してしまった
急いで口を抑える
シオン先輩は 足を止めて言った
私も止まってシオン先輩の顔を見た
シオン先輩の顔は見たことないくらい真剣だった
同時に胸が高鳴った
そして息を呑んだ
雨の中 シオン先輩のその言葉だけが響いた
𝗻 𝗲 𝘅 𝘁 ↪︎ 𝗿𝗲𝗾𝘂𝗲𝘀𝘁 𝗮𝗻𝗱 𝗾𝘂𝗲𝘀𝘁𝗶𝗼𝗻𝗻𝗮𝗶𝗿𝗲 .














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。