陽が昇りきる少し前。蝶屋敷の空気はまだひんやりと澄んでいた。
門の前に立った時、疲れなのか私の足は小刻みに震えていた。
中から門の扉が静かに開いた。
その向こうに立っていたのは────師範だった。
師範の唇が小さく開いたまま動かない。
目の奥が揺れていた。
その声は少し震えていた。
私が無言でうなずいたその瞬間、師範の表情がふっと崩れた。
言葉と同時に、師範の目から涙がこぼれ落ちた。
ふだんはあれほど感情を見せない師範の頬を、透明な線がつたっていく。
袖でそっと涙をぬぐいながら、微笑んだ。
その言葉を聞いて、私の中の何かをじんわりと溶かしていった。
涙が一粒、ぽたりと頬を伝った。
その一粒を皮切りに、まるでせき止めていたものがほどけたように、あとからあとから、大粒の涙がこぼれ落ちていく。
その一言に、師範の目が再び震える。
彼女の手が、そっと肩に添えられる。
白影がひときわ高く鳴いて、藤の枝をかすめて飛んだ。
私の肩にふわりと降りたその羽が、ひときわ白く朝日に透けて見えた。
なのです!!皆様ご協力ありがとうございます(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”
本当に閲覧数とかが増えててビックリです!デイリーランキングも53位✨ありがとうございます🥹💕︎︎
今回は、一つの話が短いので、八話、九話連続で更新させていただきます🙇♀️お昼頃になりますが、お読み頂けると幸いです*ˊᵕˋ*
鬼の血と隊士の魂、八話お読みいただきありがとうございました!













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!