第16話

九話
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2025/07/22 05:37 更新
日差しが柔らかく差し込む庭園を通り過ぎ、蝶屋敷から派遣された伝令と共に、私は産屋敷邸へ向かっていた。
カナデ
柱合会議、だって......
白影が肩の上でくるりと首を傾げる。
白影(しらかげ)
チューゴーカイギ??
カナデ
(柱たちが一堂に会するなんて......私が呼ばれる場所じゃない)
緊張が、胸の奥でじわりと広がっていく。

やがて、産屋敷邸の門が開かれる。
中庭に導かれると、そこにはすでに九人の柱が集まっていた。
炎、風、音、霞、蛇、岩、恋、水、そして蟲────

誰もが圧倒的な存在感をまとっている。


甘露寺蜜璃
あなたが、しのぶちゃんの継子ね!!
恋柱──甘露寺蜜璃
髪色がピンクと黄緑色のグラデーションという、なんとも不思議な容姿をした彼女が近づいてきた。

彼女の大きな瞳に、ぱちぱちと見つめられる。
甘露寺蜜璃
とっっっっってもかわいいわ...!!髪の色も不思議...ねぇお名前は??
カナデ
あっ、カナデと言います、!
緊張しながらも答えると彼女は、ぱあっと更に笑顔になった。
甘露寺蜜璃
カナデちゃん!よろしくね!!
カナデ
はい、よろしくお願いします、!

カナデ
...失礼とは思いますが、あの......寒くないですか?

彼女の隊服は師範とは全く違う、胸元が強調された際どいものだった。
甘露寺蜜璃
えぇっ、やっぱり変だよねっ
彼女の顔は、まるでゆでダコのように真っ赤になっていた。
甘露寺蜜璃
しのぶちゃんもこの服だと思ってたんだけど、違うみたいなの〜!
甘露寺蜜璃
でも、カナデちゃんとっても素敵な隊服ね♡
カナデ
ありがとうございます!師範が一緒に選んでくれました。

私の隊服は上は他の隊士と変わらず、下はぴったりとしたミニ丈のタイトスカートに、底が下駄になっているニーハイブーツ、師範と色違いの赤と黒の蝶の羽織になっている。
胡蝶しのぶ
カナデにも最初はその隊服が支給されましたよ。
でも私があのゲスメガネ目の前で燃やしました。
甘露寺蜜璃
しのぶちゃん!!??
師範は不敵な笑みを浮かべながら、淡々と話していた。

そのすぐ横で、蛇柱──伊黒小芭内がちらりとこちらを見た。
口元を包帯で隠したまま、何も言わないが、視線はどこか警戒を帯びている。
不死川実弥
胡蝶の継子か......フン、虫けらみたいなもんだな
全身傷だらけでつり目の風柱──不死川実弥の吐き捨てるような声に、背中がびくりとする。
だが、師範が穏やかに笑みを浮かべながら一歩進み出た。
胡蝶しのぶ
不死川さん、その虫けらがあなたの腕より速く毒を扱えるかもしれませんよ?
不死川実弥
チッ.........
風柱は舌打ちをし、そっぽを向いた。
その様子を図体が私の頭三つ分飛び出た大きな男性が、腕を組んだまま見ていた。
音柱──宇髄天元だ。
赤い瞳がじっと見下ろしている。
宇髄天元
派手だな!胡蝶の継子ならそれなりにやるんだろう。期待してるぜ
それをやけにオーラが強い炎柱──煉獄杏寿郎が力強く頷きながら、にこやかに言った。
煉獄杏寿郎
鬼殺隊に入隊したことは素晴らしいことだ。これから共に戦おう!!!
悲鳴嶼行冥
神に祝福されし子よ.........君が生きて帰ってきたことに、感謝を
私の二倍あるのでは無いかと思うくらい背の高い、岩柱───悲鳴嶼行冥は数珠をジャリジャリと擦りながら涙を流していた。
時透無一郎
.........
霞柱──時透無一郎は一人だけ空を見ていて、私の存在に気づいているのかも不明だった。
冨岡義勇
...
水柱──冨岡義勇は庭園の隅っこでぽつんと一人で立っている。




おおよそ紹介が終わると、庭園の奥の方から草の擦れる音と足音が聞こえた。
ふと顔を上げると、数人の隠が現れその中央に誰かを担いでいた。
カナデ
(誰......?)

担がれているのは、黒と緑の市松模様の羽織を纏った少年。
顔には傷と泥がつき、意識はなく、ぐったりとしている。

胡蝶しのぶ
彼が......あの、竈門炭治郎ね
隣に立つ師範がぽつりと呟く。
私は目を細めてその名を聞いた。
カナデ
(竈門......炭治郎...)
聞き覚えはあった。この騒がしい会議の原因でもあり、鬼を連れているという前代未聞の隊士
その真偽を確かめるために、柱が集められている。


信じられない。


彼の後ろから木箱を抱えた隠がついてくる。

その中に───件の鬼がいるという。
カナデ
(人を襲わない鬼なんて、いるはずない。だけど......)

最終選別にいたあの鬼だって結局は人を喰っていたのだ。

自分の胸に芽生えた小さな疑念が、香のように揺らめいていた。
カナデ
(私も、「信じられないこと」に囲まれて生きてきた)






だからこそ、確かめたかった。

この少年の目に、どんな”嘘”と”真実”があるのかを。










なのです!!皆様さっそくお読みいただきありがとうございます🥹‎💕︎︎
鬼の血と隊士の魂、九話お読みいただきありがとうございました!




♡5→🆙

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