第17話

十話
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2025/08/07 13:25 更新
起きろ
起きるんだ

隠の人が焦った顔で何回も竈門炭治郎の体を揺する。でも炭治郎は微動だにしない。まるで聞こえていないようだ。
起き...オイ
オイこら
やいてめぇ!!
やい!!!
いつまで寝てんださっさと起きねぇか!!!!
竈門炭治郎
......っ!
柱の前だぞ!!!!


胡蝶しのぶ
ここは鬼殺隊の本部です。あなたは今から裁判を受けるのですよ。竈門炭治郎君

まるで軽い雑談でもするかのように、師範は微笑んでいた。
この場が命の行き場を決める裁きの場だなんて、忘れてしまいそうになるほど。


煉獄杏寿郎
裁判の必要などないだろう!鬼を庇うなどあきらかな隊律違反!
煉獄杏寿郎
我らのみで対処可能!鬼もろとも斬首する!
宇髄天元
ならば俺が派手に頚を斬ってやろう
誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜ。もう派手派手だ


悲鳴嶼行冥
あぁ...なんというみすぼらしい子供だ...可哀想に
殺してやろう
煉獄杏寿郎
うむ
宇髄天元
そうだな。派手にな
命の関わる話のはずなのに、笑顔で言葉を交わしている。
一人は泣いているが
この三人は本当に斬るつもりだろう。


伊黒小芭内
そんな事より富岡はどうするのかね。
拘束もして無い様に俺は頭痛がしてくるんだが
彼の声は、頭上から落ちてきた。
鋭く、冷たく、そしてどこか絡みつくような調子で。
伊黒小芭内
胡蝶めの話によると隊律違反は富岡も同じだろう。どう処分する、どう責任を取らせる。どんな目に遭わせてやろうか
見上げれば、木の枝の上に寝転ぶようにして、伊黒さんがこちらを見下ろしていた。




冨岡義勇
……
伊黒さんの刺すような言葉が飛んできても、冨岡さんは反論もせず、眉ひとつ動かさなかった。

胡蝶しのぶ
まぁいいじゃないですか。
大人しくついて来てくれましたし。処罰は後で考えましょう。
胡蝶しのぶ
それよりも坊やの方から話を聞きたいですよ


竈門炭治郎
………っ!!

竈門炭治郎
ゲホッ、ゲホッ…!
肺いっぱいに空気を吸い込んで、喉につまった息が酷い咳になっているようだ。
カナデ
無理に声を出そうとしたらダメだよ。

炭治郎のそばに静かに歩み寄り、そっと片膝を地につけた。

カナデ
水を飲んだ方がいいね。
鎮痛薬が入っているから、楽になるはずだよ。
差し出された水にすがるように、炭治郎はただ、静かに水を口にしていた。
カナデ
怪我が治ったわけではないから、無理はダメ。

竈門炭治郎
……俺の妹は鬼になりました。だけど人を喰った事はないんです。
竈門炭治郎
今までも、これからも、人を傷つけることは絶対にしません!


カナデ
伊黒小芭内
くだらない妄言を吐き散らすな。
そもそも身内なら庇って当たり前、言うこと全て信用できない。俺は信用しない。
悲鳴嶼行冥
あああ…鬼に取り憑かれているのだ。
早くこの哀れな子供を殺して解き放ってあげよう

竈門炭治郎
聞いてください!!
俺は禰豆子を治すために剣士になったんです!
竈門炭治郎
禰豆子が鬼になったのは二年以上前のことで、その間禰豆子ら人を喰ったりしてない!


炭治郎の話を、すぐには信じることができなかった。
鬼にも感情があり、苦しみがある。悲しい生き物だ


だからといって、人を襲わない鬼が存在する、と言われても……にわかには受け入れがたい。
どれほど意志を持っていても、食欲という本能はそれを簡単に裏切る。
炭治郎の言葉を否定したくないけれど、簡単に信じるわけにもいかなかった。

宇髄天元
話が地味にぐるぐる回ってるぞアホが
宇髄天元
人を喰ってないこと、これからも喰わないこと、口先だけでなくド派手に証明してみせろ

甘露寺蜜璃
あのお、でも疑問があるんですけど・・・
お館様がこのことを把握してないとは思えないです
甘露寺蜜璃
勝手に処分しちゃっていいんでしょうか?
竈門炭治郎
·····

甘露寺蜜璃
いらっしゃるまで、とりあえず待った方が·····
宇髄天元
·····
煉獄杏寿郎
·····
悲鳴嶼行冥
·····

竈門炭治郎
妹は俺と一緒に戦えます!
鬼殺隊として人を守るために戦えるんです!!
竈門炭治郎
だから!!!!


不死川実弥
オイオイ
何だか面白いことになってるなァ

隠の一人が、不死川さんの動きに気づいた瞬間、目を見開いた。
困ります!不死川様!!
どうか箱を手放してくださいませ!!!
その視線の先、不死川さんはある箱を無造作に掴みあげていた。

箱からは、なんとも言えない異質な気配が漂っていた。
中に何があるのかは分からない。ただ、胸の奥が少しだけざわついた。
不死川実弥
鬼を連れてた馬鹿隊員はそいつかいィ
一体全体どういうつもりだァ?
胡蝶様申し訳ありません·····
焦りと戸惑いが、隠の顔に浮かぶ。額に滲んだ汗が、冷たい空気の中光って見えた。

胡蝶しのぶ
不死川さん、勝手なことをしないでください。
不死川実弥
鬼が何だって?坊主ゥ
鬼殺隊として人を守るために戦えるゥ?
不死川実弥
そんなことはなァ

不死川さんの手の中で、あの箱がぐらりと傾いた。
……いや、違う。傾いたんじゃない。
あれは力を込めて…持ち上げた。
不死川実弥
ありえねぇんだよ馬鹿がァ!
次の瞬間、チャキ、と短く刀が鳴った。箱に向かって、躊躇なく────
カナデ
やめっ··········!!



間に合わなかった。ほんの一瞬で鋭い音と共に、刃が箱の中に突き立てられた。
血が、見えた。
箱の隙間からボタボタと流れ落ちていく。

あっ·····
炭治郎は刺された箱を見て、何かが壊れたように立ち上がった。身体の痛みなんて関係ないとでも言うように、不死川さんへ向かって走っていく。
竈門炭治郎
俺の妹を傷つける奴は、柱だろうが、何だろうが許さない!!
炭治郎が走る。血の気の引いた顔のまま、まっすぐに。
止める暇なんてなかった。いや、止めようとすら思わなかった。
不死川実弥
ハハハハ!!
そうかい!よかったなァ
冨岡義勇
やめろ!!
もうすぐお館様がいらっしゃるぞ!

不死川実弥
!!


ガッ

鈍い音が響いた。頭がぶつかる音なんて久しぶりに聞いた。
炭治郎が、ためらいもなく額をぶつけていた。不死川さんの顔面に、真正面から。
頭突き。まさか、そんな選択をするなんて。
思わず一歩、前へ出てしまった。


不死川さんが大きく仰け反る。
ほんの一瞬、全員の時間が止まったように感じた。

竈門炭治郎
善良な鬼と悪い鬼の区別もつかないなら、柱なんてやめてしまえ!!

不死川実弥
てめェェ…
不死川実弥
ぶっ殺してやる!!


白髪の少女
お館様のお成りです
カナデ
…!!
竈門炭治郎
!?


産屋敷耀哉
よく来たね。私の可愛い剣士こどもたち






なのです(՞ . .՞)更新、遅くなって本当にすみません😭🙏💦
夏休みに入って、ようやく帰省期間になったので、お話作りにちゃんと取り組めそうです!!今回のお話は原作通りになっているので、自分がちゃんと考えた部分は少ないんですけど、漫画を文字に起こすのは難しかったです( ˘•ω•˘ )
鬼の血と隊士の魂、十話お読みいただきありがとうございました!





♡5➕☆138→🆙

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