第116話

誰かの招待状
2,431
2025/04/28 15:10 更新
   NOside ___ 
   麗日お茶子&蛙吹梅雨 VS トガヒミコ


   相澤消太の戦闘許可命令が出されて 、
   そして 、 敵の目的が " 爆豪勝己 " と聞いてから 、 約数分後 。



   ナイフの風を切る音が耳に鋭く響いた 。

   目の前にいる女 … 服装的に女子高生だろうか 。
   二つの団子にまとめられている少女は 、 赤に塗れていた 。


   真っ赤な頬 、 真っ赤なリボン

   ____ 真っ赤なナイフ 。


   一つの異質なモノが混入されており 、 麗日お茶子と蛙吹梅雨の恐怖を煽るには十分のモノだった 。
トガヒミコ.
 ん〜 … 
トガヒミコ.
 浅い少ない! 

   血の着いたナイフをまじまじと見て 、 目の前の狂気的な少女 … トガヒミコは言った 。


   戦闘許可は出された 。

   個性も使っていい 。


   その理由なんて 、 蛙吹梅雨は気付いていた 。
蛙水梅雨.
 お茶子ちゃん 、 施設へ走って 

   そう言って 、 蛙吹梅雨の長い舌は麗日お茶子を操るように宙へと舞わせた 。

   戦闘許可の理由 。

   それは戦うためだけじゃない 。


   身を守ることなのである 。

   逃げて 、 助けを呼ぶ 。




   それが 、 相澤先生の目的 。


   そんな熱い友情を見せられて 、 トガヒミコが興奮しないわけがなかった 。

トガヒミコ.
 つゆちゃん … 梅雨ちゃん ! 
トガヒミコ.
 カァイイ呼び方 、 私もそう呼ぶね 


   人間は 、 自分より狂気的な人物を見ると恐怖に陥る 。

   それは 、 学生である蛙吹梅雨も同じ 。
蛙水梅雨.
 やめて 、 そう呼んでほしいのはお友だちになりたい人だけなの 


   残念だが … トガヒミコは諦めない 。

   ヴィランである 、 彼女に常識は通用しないのだ 。

   ズドンッ 、 と麗日お茶子の体と 、 土の地面が衝突する音が森に木霊する 。

麗日お茶子.
 梅雨ちゃん !! 


   友人を身代わりにして 、 なにがヒーローだ !!


   とでも言いたげな瞳で 、 二人を見据えた 。


   そこからの行動は早かった 。
麗日お茶子.
 離れて ! 


  と言ったあと 、 すぐにトガヒミコとの距離を縮めて 、 ガンヘッドから教わった武術を 、 今 ここで披露した 。


  そうして 、 トガヒミコを制圧した二人 だったが ……
トガヒミコ.
 ちう 、 ちうちう 


   突如 、 トガヒミコが麗日お茶子の隙を付いて 、 太ももに機械を刺した 。


   ちうちう 、 と言いながら口を尖らせるトガヒミコ 。

   その姿は 、 正に狂気的だった 。



   ____ だが 、 その時 。





あなた
 お茶子ちゃんっ 
障子目蔵.
 麗日 !! 



   障子目蔵たちとは別方向から現れた 、 もう一人の人物 。


   あなたの名字あなたの下の名前 。
トガヒミコ.
 あなたの下の名前ちゃんが居ないのです 、 残念 



蛙水梅雨.
 障子ちゃん … あなたの下の名前 、 ちゃん …… 皆 


   …… さて 、 先程の発言を 、



   二人麗日お茶子と蛙吹梅雨は 、 どう捉える ?




あなた
 二人とも … 、 それと 
トガヒミコ.
 … また会いましたね 、 あなたの下の名前ちゃん 


   麗日お茶子と蛙吹梅雨が目を離した隙に 、 トガヒミコはぴょん 、 と軽快な足取りで拘束状態から脱出した 。
トガヒミコ.
 … ! 


   目を見開くトガヒミコ 。

   目線の先には 、
緑谷出久.
 …? 


   怪我 、 痣 、 頭から流れる 、 鮮やかな血 。

   少し目を細めて 、 トガヒミコは消え去った 。




   あなたの下の名前side ____


   緑谷くんが言うには 、 ヴィランに狙われているであろう爆豪くんを守る 、 とのこと 。
あなた
 その肝心の爆豪くんはどこ ? 
緑谷出久.
 … 何言ってるんだ 、 かっちゃんなら … 

   皆が後ろを向く 。
   背後には 、 並木しか立っていないというのに 。



   その刹那 、 木の上から男の声が聞こえた 。
Mr.コンプレス.
 ___ 彼なら 


Mr.コンプレス.
 俺のマジックで貰っちゃったよ 
緑谷出久.
 なっ … !! 


Mr.コンプレス.
 こいつぁヒーロー側に居るべき人材じゃねぇ 
Mr.コンプレス.
 もっと輝ける舞台へ 、 俺たちが連れていくよ 



緑谷出久.
 ___っ返せ !! 



   ヴィランと思われる 、 オレンジのコートを身にまとった奇術師マジシャンが 、 仮面越しに私たちを見下ろした 。


   そして 、 奇術師は挑発するように
Mr.コンプレス.
 返せ ? 
Mr.コンプレス.
 妙な話だぜ 、 爆豪バクゴーくんは誰のモノでもねえ 

   奇術師が緑谷くんの意見を否定するかのように 、 淡々と話し続けた 。

   指先に三つのビー玉も持ち 、 弄ぶように転がしながら 、 私たちを静観する 。
Mr.コンプレス.
 彼は彼自身のモノだぞ ! エゴイストめ 

   痺れを切らした轟くんが 、 右足を踏み締めて 、 冷たい絶対零度の氷を出現させた 。

   ひりひりと皮膚に冷たい氷が付き 、 赤くなった指先を放置して 、 私は轟くんの真似をするように左足を踏ん張った 。

Mr.コンプレス.
 我々はただ凝り固まってしまった価値観に対し 、 それだけじゃないよと道を示したいだけだ … ! 
Mr.コンプレス.
 今の子らは価値観に道を選ばされている 
あなた
 そんなことより返せよ ! 

   障子くんが確認するには 、 どうやら常闇くんも連れ去られたらしい 。
Mr.コンプレス.
 元々エンターテイナーでね 、 悪い癖さ 
Mr.コンプレス.
 常闇くんはアドリブで貰っちゃったよ 


   と言って 、 再度指先に持つビー玉を転がして 、 私たちを煽るように眺めた 。

   刹那 、 私と奇術師の目が画面越しに合い 、 それを合図にしたかのように 、 奇術師はギュッと青く光るビー玉を握り締めた 。
緑谷出久.
 この野郎 !! 貰うなよ ! 


   狂気を感じるほどの 、 緑谷くんの声量に障子くんは落ち着かせるように宥めた 。

   麗日さんに 、 倒れている人を放った轟くんが 、 大きな氷を森に披露した 。

   思わずびっくりして 、 私は動きをピタリと止めた 。

   これが 、 ヒーロー科
麗日お茶子.
 なっ 、 あなたの下の名前ちゃん 、 指 ! 
めっちゃ赤くなっとるよ 。
麗日お茶子.
 凍傷やない ? ちょっと安静に …… 
あなた
 今はそれどころじゃない 
あなた
 彼を取り戻さないと 

   私の手に 、 広範囲に赤く染まる血行の停止は 、 私では気付かないほど 、 どうでもいいこと 。

   痛みなんて 、 もう感じない 。


   …… 否 、 今はそれよりも 、 彼らを取り戻すことだけを考えよう 。
轟焦凍.
 絶対逃がすな !! 

   そう言った轟くんの目の先には 、 大きく広がった青い炎だった 。


   青い炎の匂いが鼻を掠めて 、 反して 、 氷の冷たさが肌を虐めた 。


   

   そしてしばらくの間 、 目の前 … とは言えない 、 ずっと遠くに居る奇術師の跡を私たちは着けていた 。


   その時 、 緑谷くんが閃いたかのように顔を少し上げて 、 真剣な顔をして私たちに話し掛けた 。
緑谷出久.
 麗日さんかあなたの下の名前ちゃん ! 
僕らを浮かして … !


   …… 浮かす ?
麗日お茶子.
 っえぇ ? 
緑谷出久.
 そして浮いた僕らを蛙吹さんの舌で思いっきり投げて ! 
僕を投げられる程の力だ !
緑谷出久.
 すごいスピードで飛んで行ける ! 




   緑谷くんが目を血眼にしながら 、 私たちに説明をする 。

   説明が完了し終わった後 、 私は小さく手を挙げた 。
あなた
 … ごめん 
あなた
 さっき 、 ヴィランと鉢合わせして …
両腕を焼かれた … 今は 、 使えない


   赤く変色した右腕と 、 擦り傷の付いた左腕を見せて 、 私は口を開いた 。

   最初こそ驚きはした皆だったけれど 、 冷静さを取り戻して 、 行動に移った 。
あなた
 " でも 、 1回だけ 、 頑張れば使える " 
あなた
 " …だから私を 、 ヴィランの所まで連れて行って " 


   という約束を交わして 、 私諸共蛙水さんの舌で巻かれる 。
蛙水梅雨.
 必ず二人を救けてね 


   ジッと見据えた瞳が 、 私たちを勇気づけさせられた 。
あなた
 もちろん 

   弧を描かせて 、 私は二人に向かって微笑みを交わす 。

   次の瞬間 、 思い切り私たちは投げられて 、
   みんなで空中ジェットコースター並に怖い体験を共にした 。


   その叫び声が耳に届いたのか 、 空を歩く奇術師が後ろを向いた 。


Mr.コンプレス.
 なっ … 冗談じゃねぇぜ !? 



   そう嘆くように言った瞬間 、 ゴツン 、 と音がして 、 奇術師の空中でのバランスを崩し 、 重力に従って 地に落ちた 。

荼毘.
 ___ ! 
トゥワイス.
 知ってるぜ このガキ共 ! 誰だ !? 


   火傷跡が体の半分以上を占める割合で大きな 、 火傷男 ___ 、 そして 、 変なボディスーツのようなモノを身にまとっている男 。


   そして 、 先程目を合わせた 、 トガヒミコが立っていた 。
荼毘.
 Mr.ミスター避けろ 
Mr.コンプレス.
了解ラジャ 


   ボワッとした熱い青い炎が私たちの肌を直接燃やした 。

   先程の火傷跡に火が沁みて 、 更に悪化が進む 。
   擦り傷の方にも火が滲んで 、 血が止まって 、 血流が止まる


   ___ 痛みが感じられない 。



   それほどまでに 、 重症 。


   ただ 、 肺に一酸化炭素が侵入してきて 、 拒むなんてことはできなかったから 。

   上手く声が出なくなった 。


トゥワイス.
 死柄木の殺せリストにあった顔だ ! 
そこの地味ボロ君とおまえ轟焦凍
トゥワイス.
 なかったけどな ! 


   もう立つ力のない 、 憔悴した私を見て 、 火傷男はぎろりと私を睨んだ 。

   炎の勢いにより 、 木に寄りかかるように倒れた私は 、 意識が朦朧として 、 視界がポヤポヤとモザイクがかかるようになって 、 口が小さく開く 。
あなた
 いた 、 い 
荼毘.
 … へえ 、 痛みなんて感じたんだな 。 お前に 


   私はまた小さく口を開ける 。

   でももう 、 言葉が宙に浮くことすら 、 喉が許さなかった 。
あなた
 … ?
荼毘.
 … ま 、 いいや 。 コレは 




   そう言って 、 火傷男は私に背を向けた 。
荼毘.
 爆豪は ? 
 
   そう 、 奇術師に問いかけをして 、 奇術師はそれに答えるようにポケットに手を突っ込む 。
Mr.コンプレス.
 もちろ 、 ん … !? 
障子目蔵.
 みんな逃げるぞ ! 


   そう言って 、 障子くんは私の体を掴んで 大声をあげた 。
障子目蔵.
 今の行為ではっきりした 。 個性は分からんが 、 さっきお前が散々みせびらかした __ … 


   左の手の中にある物は 、 小さな水色のビー玉 。

   それを見せびらかすように 、 障子くんはヴィランたちに突き出した 。
障子目蔵.
 右ポケットに入っていたこれが 
障子目蔵.
 常闇 、爆豪だな ? エンターテイナー 
Mr.コンプレス.
 … ほほう 


   まるで賞賛でもするように 、 奇術師は拍手をして声を大きく張らした 。

轟焦凍.
 っでかした ! 
荼毘.
 っチ 、 アホが 
Mr.コンプレス.
 … いや 待て 。 


   目の前に映ったのは 、 大きな ___ …



   この世の悪意をねじ込めたような 、 大きな黒いモヤ 。


   そして 、 横には脳の丸出しにされた … たしか 、 名は脳無 、 と言ったか 。
緑谷出久.
 ワープの … 
黒霧.
 合図から5分経ちました 、 行きますよ 荼毘 


   怯えている私たちを無視して 、 大きなモヤの中に人が入っていくのを間近で見つめる 。

   
荼毘.
 まて 、 まだ目標が 
Mr.コンプレス.
 ああ … アレはどうやら走り出すほど嬉しかったみたいなんでプレゼントしよう 


   奇術師の発言に 、 どうも違和感を感じて 、 私たちはピタリと動きを止め 、 顔を後ろへ向けた 。
あなた
 … は 
Mr.コンプレス.
 悪い癖だよ 、 マジックの基本でね 
Mr.コンプレス.
 モノを見せびらかす時ってのは …… 


   帽子を取って 、 仮面を少し横にズラして 、 奇術師は舌を覗かせる 。


   その舌の上に転がされている物は 、 ビー玉 。

Mr.コンプレス.
 見せたくないものがある時だぜ ? 


   瞬間 、 障子くんの持っていたビー玉がパリン ! と割れて 、 大きな氷が出現した 。
Mr.コンプレス.
 氷結攻撃の際に " ダミー " を用意し 、 右ポケットに入れて置いた 。
Mr.コンプレス.
 右手に入ってたモンが右ポケットに入ってん発見したらそりゃー嬉しくて走り出すさ 
緑谷出久.
 くっそ …… !! 


   へらへらとした態度で 、 黒い闇の中に吸い込まれていく奇術師 。

   突如 、 その奇術師の仮面目掛けて 、 一筋の光が現れた 。
Mr.コンプレス.
 … !? 


   私たちは一斉に 、 飛び出された " 三つ " のビー玉目掛けて走り出す 。


   障子くんが一つ 。


   轟くんが一つ 。


   私が 、 一つ 。




   ビー玉を奪おうとした瞬間 ____ ……


   " ピシャッ " と 、 轟くんの目の前にあったビー玉が盗られた 。

   その事に目を取られて 、 私は目の前のビー玉を見ていなかった 。


   もう一度 、 肌が肌を掠める音が森に木霊して 、 私の目の前に光り輝いていた 、 ビー玉は火傷男の手の中へと移動して行った 。
あなた
 なッ … 



荼毘.
 哀しいなあ… 悔しいなぁ 
荼毘.
 轟 、 焦凍 


   私なんて見向きもしない 。

   そんな事実に 、 腹が立つ 。
荼毘.
 確認だ 、 解除しろ 
Mr.コンプレス.
 俺のショーが台無しだ … ! 


   そう言って 、 手だけ見える状態のまま 、 奇術師は指鳴らしをする 。

   




   パチン !

   という肌の衝突音が聞こえて 、 直ぐにビー玉の中身があらわになった 。
轟焦凍.
 な … は ? 
あなた
 … っち 


   目の前には 、 首を掴まれた爆豪くん 。


   _______ そして
あなた



   " 荼毘 " の腕の中で 、 ぐっすりと眠る




   _______ " もう一人の 、 私の姿 " があった 。
あなた
 …… あーあ 、 最悪 
爆豪勝己.
 …っ来んな 、 デク … 






    " 爆豪勝己 " が 、 " 黒霧 " の中に入ろうとする 、 " 緑谷出久 " の動きを止めた 。




   …… どうやら私は 、 もうお役御免みたい
あなた
 じゃーね 、 ヒーロー 


   私はそう言って 、 逃げるように消えた 。










今回のお話、展開が早くて分かりずらいところしかないと思います。質問なんでも受け付けますので、初コメ構わずコメントしていってください…(絡みたいだけです)
次のお話で説明します。(コメントでも説明する予定ではあります)

おまけ、あなたの下の名前ちゃんが本物じゃない伏線、何個ありましたか?数えてみてください

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