轟焦凍side ______
さっきの出来事は 、 何だ ?
何が 、 起きたんだ ?
心の中心部分に 、 小さな穴が空いた感覚がした 。
__ 外側の部分に大きな穴が空いたとしても 、 俺は別に挫けないと思っていた 。
… ただ 、 内面から崩れるとなると 、 話が変わってくる 。
俺らを追った麗日と蛙水が 、 俺らの目を見て質問する 。
答えなんて 、 分かりきってるのに 。
違う 、 多分なんていう副詞なんて要らなくて 。
俺が言いたかったのは 、 現況だけで …
凛々しく 、 瞳の中に燃える炎が 、 俺を燃やすように問う 。
その瞳には 、 あなたの下の名前を信じるような 、 確信に濡れたハイライトが見えた 。
だけど 、 俺はそれに答えられない
…… わかんねぇんだ 。本当に 。
当然 麗日も蛙水も 、 何か言いたげな顔をして 、 それでも 、 俺らの傷や顔を見て 、 何も言えない顔を繰り返した 。
_____ 俺らの夏合宿は 、 最低最悪の終わりを告げた 。
後程聞いた話によると 、
ヒーロー科が楽しみに待ち望んでいた林間合宿は 、生徒四十名の内 、 毒ガスによって意識不明の重体 、 十五名 。
重・軽傷者十一名 。
無傷で済んだのはたったの十三名だった 。
行方不明者二名
その内の一名は裏切りか誘拐かは不明 。
プロヒーローは六名の内 、 一名が頭を強く打たれ重傷 。
一名が大量の血を残し 、 行方不明となっていたらしい 。
何度 、 くそ 、 と吐いたかなんて覚えていなかった 。
覚える価値すらなかった 。
病院に行って 、 火傷したところやバイ菌の入りそうになっていたところを消毒した 。
俺より先に 、 あなたの下の名前が治療されるべきなのに 。
____ 否 、 あのあなたの下の名前は偽物だった 。
フワッと 、 まるで雪の様に消えたあなたの下の名前は 、 俺の知らないあなたの下の名前だった 、 という訳じゃない 。
___ 本当に 、 あなたの下の名前じゃない " 何か " だった 。
そして 、 警察から聞いた話によると 、 敵側にひとつの物をふたつに増やす 、 複製が可能な個性を持つ敵がいるそうで 。
多分 、 俺らが見た偽物のあなたの下の名前はそいつの個性によって作られた物だと考察された 。
でも 、 それにしては幾つかの疑問点があがって 、
なぜ " 荼毘 " は偽物であるあなたの下の名前に攻撃したのか 、 とか
なぜ最後にネタバラシをしたのか 、 とか 。
俺には分からねぇことだらけの問題が 、 俺の脳をジャックした 。
____ 無意識に 、 俺はあなたの下の名前の名前を呼んだ 。
そんなことをしても 、 あなたの下の名前は帰ってこないのに 。
…… 無事で 、 いてくれ 。
あなたの下の名前も 、 爆豪も …… 。
俺はそうやって 、 傍観者のように 、 他人事として言うことしかできなかった 。
死柄木弔の 、 凛とした瞳がある物を捉える 。
覚悟だなんて 、 もう決まっている 。
フードを深く被り直して 、 髪をまとめる 。
____ ヴィラン 。
今から 、 社会の敵となる 。
最後に 、 笑わなくたって 、 別にいい 。
全ては 、 ___の為に 。
次 、 最後に立ち続けるのは 、
___ 敵だってことを 、 思い知らせてやる 。
ぱちりと朧げな視界をクリアにするように 、 彼 、 爆豪勝己は何度も瞬きを繰り返す 。
そして 、 のっそりと俯かせていた首を起こして 、 小さなうめき声を漏らした 。
爆豪勝己は大きく足を開いて 、 まるで退屈している議員のように欠伸をして 、 一言 。
____ これは 、 一触即発の気がする 。
エイプリルフール
今日から7日まで超低浮上になります。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!