第20話

🦄
89
2022/12/11 07:00















僕らは野外ライブの出演が決まって



ちょうど今日、リハがある。










あなたの下の名前に突き放されて



もう数週間も経つというのに、



あなたの下の名前とのことが



ずっと頭の中で回っていた。










『 不安 』。









それだけが心の奥底で



くさびか何かのように



ずっと結び付けられていて。










ずっと落ち着きがない状態だった。










___そんな中。












ホソク
ホソク
💭  凄い量の通知……















楽屋の机に置いたスマホが



絶えず鳴り止まないのだ。










誰からだろう、そう思って見ようとしたその時。












staff
staff
あの……すみません…
staff
staff
少しお時間、宜しいですか?















小柄で、仕事に慣れていなさそうな



新人のスタッフさんに声をかけられてしまった。










すっごい緊張してるみたいだし



きっと何かあったのかな?












ホソク
ホソク
はい、大丈夫ですよ!














僕はそう言い、



スマホをマナーモードにして



そのスタッフさんのあとをついて行った。












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スタッフさんが連れてくれたのは



ライブ会場の裏側に位置する倉庫。









人影も少なく、



ただ埃被った用具がちらほら見えるだけ。












ホソク
ホソク
あの……ここで何を___














そう言いかけた時、



ピリッという音が鳴って



僕の全身は電気のような痛みに包まれる。









僕はその痛みに耐えられなくて



ふらりと倒れてしまう。












staff
staff
……ㅎ














微笑するスタッフが持っていたのは



おそらくスタンガン。









声を出すことも出来なくて



僕の意識はそこで途切れてしまった。












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