第16話

🦄
99
2022/12/07 07:00














いくらメッセージを送っても、



いくら僕が話しかけても、



あなたの下の名前は口を開いてくれなかった。










だから僕は去ろうとするあなたの下の名前の腕を掴んで



必死に訴える。











ホソク
ホソク
どうして僕のこと避けるの?














それは咄嗟に出てきた言葉でもあり



僕の本音で本心だった。








僕がそのまま話し続ける度、



あなたの下の名前は不満そうな顔をして。










僕が喋ろうとした瞬間、



その言葉を遮るようにして



あなたの下の名前は___怒鳴った。













(なまえ)
あなた
いい加減にしてよッ!!!
(なまえ)
あなた
私のこと、何も知らないくせに…!
(なまえ)
あなた
なんでそんな、私の役に立とうとするの!?
(なまえ)
あなた
私に……構わないでよ!!!















そう言って、また元の方向を向いて、



あなたの下の名前は走り出して行ってしまった。












ホソク
ホソク
待っ……てよ__ッ













僕はあなたの下の名前の背中に手を伸ばしてみるけど



その手はもちろん届かない。










走り去るあなたの下の名前の背中が消える頃には



もう空はどんより黒く染まって



たちまち大雨が降り注いだ。












ホソク
ホソク
僕、は……これか、ら、どう…すれ、ば……














僕のか弱い声は空に消えていって



雨となって僕を打ちつける。










僕は1人雨の中、



彼女のように『 独り 』で



その場に立ち尽くしていた。















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