怪盗→清春
貴族→小太郎
お互い一目惚れ
─────────────────────
『今夜、貴女を拐いに行きます。怪盗K』
僕の元に届いた予告状
今、世間を騒がしている怪盗K
怪盗Kは貴族の屋敷に代々伝わる宝石を盗む
いままで失敗したことはなく、未だに捕まっていないらしい
奴の手口は、盗む数日前に予告状を届けること
でも、噂で聞いていた予告状の内容と少し違う
噂では
『数日後、貴女の大切な物を奪いに行きます』
って、書いてあるらしい。
多分『大切な』が宝石の事だろうな
でも、今手元にある予告状の内容は
『今夜、貴女を拐いに行きます』って
それに、予告状は屋敷の主の部屋に毎回あるって聞いていたし
本来ならお父様の部屋にあるはず…
それなのに、わざわざ屋敷の一番奥の部屋に予告状があるなんて……
まるで、僕の願いを知っているみたいだね怪盗Kさん
思わせ振りなことして…
拐って欲しくなるじゃん…
貴族の息子として生まれた僕は
お父様、お母様、妹の四人家族。
それなりに仲良く暮らしていたのに…
妹が産まれてから
僕の暮らしは変わった
お父様とお母様が僕に一切関わらなくなった
最初、産まれたばかりの子は、一人になんて出来ないから当たり前だと思ってたけど…
妹が自分で歩けて、言葉も喋れて、食事、勉強、ダンス、礼儀作法
生活するうえで必要な知識を、ある程度身に付けた今でも二人は僕を見向きもしない。
まるで、元から居なかったみたいに
そんな扱いをされるならこの屋敷を出たかった……
でも、貴族として産まれた僕が、一人で生きていけるわけない……
それなら、誰か誘拐でもしてくれたらって
ありもしない事を願う
タイミングよく届いた予告状に、そりゃ少しは期待するよね…
でも、
二「そんなわけないよね……」












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!