スーパーを出て駐車場までの距離だけで汗をかく。
夕方になっても猛暑は衰えない。
最近は真夏日が続いてるからそれも仕方ないが、いつもは観光客で溢れてるこの街も、さすがに人通りが少ない。
額から垂れそうなそれを拭いながら、荷物を後部座席に置いて、運転席に乗り込む。
一泊だけなのに、買い込みすぎたか。
でも、数ヶ月ぶりではあるから、せっかくだし食べたいものがあったら作ってやりたい。
エンジンをかけて駅まで向かう。
駅前のロータリーに、黒いリュックを背負った彼が立っていた。
そう助手席に乗ったスンミナは、軽自動車だと少し窮屈そうだ。
春に家を出てって以来、初めて地元に帰ってきた。
巷では夏休みらしいが、帰って来れるのはこの一泊だけで、あとは免許合宿やら、バイトやら、司法試験の予備校やらで忙しいらしい。
確かに、いつの間にかにスンミナの背丈は俺を抜かしてしまっている。
一緒に暮らしていた時はまだ柔らかさが残っていたフェイスラインも、
いつの間にかにシャープになっており、幼さが抜けている。
結構モテるんじゃないかな。
都会とは言え、スンミナは真面目だし、この見た目だし、引くて数多だろう。
別にだからってどうってことはない。
高校生の時の恋なんて気の迷いみたいなもんだ。
スンミナが新しい恋愛を楽しんでいれば、俺に言うことはない。
そんな風になんてことない会話を続けてると、うちに着く。
夕飯をスンミナに手伝ってもらいながら、作って二人で食べる。
そう言えば、この家に住んでる時も、ヨンボガやイエナがいたことが多いかったから、
案外こうやって二人で過ごしたりすることもなかった。
でも、案外二人で過ごすことが心地よかった。
俺が作ったご飯を平らげて、スンミナがごちそうさま、と礼儀正しく手を合わせる。
そう言って慌ただしいスンミナを猫部屋に案内する。
猫3匹は見ない顔に動じることなく、思い思いの場所でくつろいでる。
そう言いながら、スンミナが床に寝そべって下から猫達を見上げている。
猫用の部屋にしてからカーペットを敷いてるから痛くはないだろう。
そう言って、スンミナはしばらくぼぅっとしながら、
そのうち不思議そうに近寄ってくるスンイや、
やんちゃに跳ね回るドリをおもちゃで構っていた。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。