「知らないの?」
「何を...?」
「私達は今、時間の檻に縛られてるって」
「...時間の檻?」
#3『時間は決して止まらない』
no side
数十分前...
屋上で偶々出会った二人は軽く自己紹介をしあった
何処か二人とも距離を置いているようだった
...だからなのか
話の展開は唐突だった
星月碧は悲しげな笑みを浮かべたが
少しだけ嬉しさが混ざっていた
星月碧は問い掛けるときに笑顔を浮かべ
宵闇楓は少し躊躇いを見せて呟いた
宵闇楓は詰まった喋り方で星月碧に対応していた
星月碧は気付かなかったが、宵闇楓は何処か淡々と喋っていて
所々自虐的に、でもたまに笑顔を見せたのだった
現在
二人は過去を互いに話した後
フェンスを見つめた
それは少し高いフェンスで、所々錆びていた
少し強い風が吹くとフェンス特有の音が二人の沈黙に入っていった
他愛もない話で時間まで待つ
けれどすぐに時間は経たなかった
どうしても耐えきれなくなった宵闇楓は質問した
星月碧はフェンスにもたれ掛かり
宵闇楓はまた淡々と語りかけた












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。