第20話

#20話 静の答え
22
2020/12/23 06:21
梶丸 静
梶丸 静
俺は…
静の口がゆっくりと開いた。
梶丸 静
梶丸 静
言うわけないだろ、他の奴になんて
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
は、はい?
梶丸 静
梶丸 静
それに、俺気に入った奴の側にしか
近づかないから
梶丸 静
梶丸 静
今だって、冴夜と二人でいるけど
それは特別だからだよ
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
ちょっと待って!私と居たのは
静君が、お腹空いてたから
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
美味しい食べ物目当てで、付いて来たんでしょ!?自分でも、そう言ってたし…
冴夜は、プチパニック気味で、頬に手を当てた。
梶丸 静
梶丸 静
ブハっ、慌てすぎ
まじウケる
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
笑ってないで、どう言う事か
説明しなさい!
梶丸 静
梶丸 静
じゃあ、遠慮なく
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
パシッと、強引に手首を握ると
静がズンズンと歩き、冴夜は、後ろにある
ハンバーガー屋さんからドンドン遠ざかって行った。
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
あれ?今日は食べないの?
梶丸 静
梶丸 静
俺に絶対求めたの、冴夜でしょ?
飯食ってる余裕あるとか
梶丸 静
梶丸 静
マジで言ってんの?
静が怒っている顔をしたので、残念だが
今日の分のハンバーガーは、諦めることにした冴夜。
静に連れて来られたのは、街全体が見渡せる
小さな丘の上だった。
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
へぇ、あの本屋さんの道路の坂を
上がって行くと、この丘が
あったんだぁ!
フェンスを握り、呑気に景色を楽しむ
冴夜を、鼻で笑いながら静が、話した。
梶丸 静
梶丸 静
結構前から、冴夜の事気になって…
静が、話していると言うのに、
月が見えたなどと、一人で騒いでいる冴夜。
梶丸 静
梶丸 静
っ💢
ぷにっ
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
いだだっ、何するん…
梶丸 静
梶丸 静
ほっぺ、摘んでる。
離して欲しけりゃ、真面目に俺の
話を聞け。
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
わが、わかったから、離して
パッ
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
ごめん、もう一回言って…
梶丸 静
梶丸 静
この!!こんな奴に…
静は、ガクッと肩を落とすと
もう一度話をする。
梶丸 静
梶丸 静
だ〜か〜ら〜💢俺、結構前から
冴夜の事〜気になってたんだよォ!
梶丸 静
梶丸 静
今は、たぶん好きだと…思う
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
!!
梶丸 静
梶丸 静
じゃなきゃ、じゃなきゃ…
こんなに優しくしないからな
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
え!優しい?静君が、私に?
静は、ハンっと胸を張ると…
梶丸 静
梶丸 静
俺、皆んなに冷たいって
言われ慣れてるから
梶丸 静
梶丸 静
自分でも、自覚してるし
梶丸 静
梶丸 静
だから、優しくしてやるなんて
めったにないんだからな!ありがたいだろ?
威張った後に、照れ臭くなったのか
後の方の言葉を濁らせた。
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
知らなかった、静君が
そんなに私の事想っていてくれたなんて。
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
思えば、確かに優しかったね。
買い食い見られて逃げた私を追いかけて
きてくれたり…
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
話しも良く聞いてくれたし…
私、意外と鈍感だったかも。
梶丸 静
梶丸 静
わかれば、良い
梶丸 静
梶丸 静
返事は?
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
え?
梶丸 静
梶丸 静
鈍い、返事は?
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
私も、静君なら良いよ。
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
太ってた過去も、笑い飛ばして
くれる人だもの。
梶丸 静
梶丸 静
最低呼ばわりも、してくれた
けどな…
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
だって、あれは…
梶丸 静
梶丸 静
クスッ、冗談だよ
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
静君は、誰よりも意地悪で
たまに怖くて、デリカシーが
ない時もあるけど…

秘密がバレても良い、太っていた
事も、買い食いを見られたくない
という悩みも、静君だから、打ち明けら
たんだと、今は思った冴夜だった。
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
本当、不思議…静君が
彼氏になるなんて、思ってなかったから
ちょっとビックリ。
梶丸 静
梶丸 静
彼氏彼女になったら、ビックリどこじゃ
済まさないけどな…
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
え?どういう事?
梶丸 静
梶丸 静
鈍感、自分で考えろ!バーカ
ニシシと、静君が意地悪な顔で
笑った。少しムカついた冴夜だったが、

彼氏になった静君に、変な事をされ
そうで、今から顔が、青くなっていた。
梶丸 静
梶丸 静
今日食えなかったハンバーガー、
一緒にまた行くぞ
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
あ…
ハンバーガー屋の事、忘れずに
いてくれて嬉しい。
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
うん!
そう頷いた冴夜は、自然と自分から
静君の手を握り、それは初々しいカップル
そのものだった。

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