走りながら、静は走り去る
冴夜を見て、ある先輩と重ね合わせていた。
静は、けしてお人好しじゃない。
自分が決めたこと以外は、実行しないし
人に流されることもない奴だ。
それでも、なぜか気になってしまった
静は、ため息を吐きながらも冴夜を追いかけ
てみたのだ。
冴夜が、静を振り切ったと思い
電信柱に背を付けた…その時!
まいたはずの、静が、冴夜の前に
現れたのだ。
静は、ぶっきらぼうに
冴夜に生徒手帳を押し付けると
そのまま立ち去ろうとした。
冴夜は、ペコリと頭を下げると
生徒手帳をギュッと握りしめた。
冴夜は、静が眉をひそめて
放った言葉にハッとする。
少しイラつき気味の静が、冴夜に
突っかかる。
冴夜は、静に言っても良い事なのか
悩んだが、わざわざ自分のために
生徒手帳を届けてくれた事を思うと
少し話してみようという気持ちになれた。
5分後…
静は、ふ〜んっと頷くと
と、大きく吹き出した。
しかし、冴夜に話してもらった後の静は、
なんだか清々しい顔をしていた。
静は、フォローにもならない
素直な気持ちを冴夜に伝えて、ますます
反感をかったが、冴夜もいつのまにか
やわらかい表情へと変わっていた。
ありえるでしょ!と、冴夜は、くすくす
と笑った。
静君に買い食いしようとしてたのを
見られて、絶望した。
でも、その後静君に、悩みを打ち明けて
心が軽くなった。
しかし、静君は、思ったより、大人じゃなくて
赤い髪が怖さより…面白さに変わったと
冴夜は、そう思った。
ニコニコと爽やかな笑顔で笑う
静の顔面を、グーパンチで
ボコボコにしたのは、冴夜だけの
ヒ・ミ・ツ♡














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。