朝の訓練場。
昨日の騒がしい空気とは違い、少し静かだった。
というか……あれだけ眠そうにいつもしているのに、ちゃんと仕事してるんだ
そんな失礼なことを考えていると、
白羊副隊長が静かに歩いてきた。
白羊副長は軽く微笑んだが、その瞳は昨日とは少し違い、ちょっと怖かった
訓練スタート
───────────────────────────────────────────────────────────────
白羊が構える。
その動きは“静か”。
なのに、空気が変わる。
うそ……昨日の琴沢補佐のモードに似てる
静かに、淡々と宣言。
こ、怖い……!
そして——
白羊の剣が、静かに、でも正確に、みんなの間合いへ踏み込んだ。
────────────
──────
──
持久走
死ぬ……
というか、海坂さん絶対“いやだぁぁ”って言ってたよな…
白羊副長は淡々と、しかし横ではしっかり観察している。
ぜ、全部見られてる……!
反応訓練
白羊副長がボタンを押すと、
床のパネルがランダムに光りはじめた。
その声だけは優しい。
だけどメニュー自体は鬼だった。
……これ、琴沢補佐の“本気モード”よりきついんじゃ……?
霧島は、地面に倒れ込む
とか、言っている
と、余裕ぶっこいているが
正直僕も疲れた
白羊副長は淡々と片付けながら、
しかしどこか柔らかく微笑んだ。
優しい……けど怖い……
やっと“地獄のようで優しい”訓練が終わった
その夜 寮の廊下にて(桜夜視点)
男子寮の部屋で、霧島と同室の堀(仮名)が
ぐったりしていた。
……確かにきつかったけど、得るものはあったな
白羊副長は適切なアドバイスをしてくれたし、
隊員1人1人のことをよく見てる
あと、意外に楽しかった……
そんな会話をして、
消灯時間になり、2人が寝静まった頃——
喉渇いたなぁ
ふたりに声をかけて、
廊下に出た。
夜の寮はしんと静まり返っていて、
足音がやたら響く。
そういえば、琴沢補佐、結局夕方には戻ったらしいけど……
今日は一度も顔を合わせなかった。
きっとまた帰ったら笹田隊長と白羊副長と
ゲーム三昧、もしくは昼寝なんだろう——
いや、昼寝じゃないか。もう夜か
じゃあ、夜寝?
そう思ったとき。
廊下の奥、
訓練場へつながる扉の前で、
小さな声が聞こえた。
白羊副隊長の声だ。
思わず足が止まった。
扉が少しだけ空いていて、
中の会話が漏れている。
……え? 誰と話してるんだ?
耳を澄ませると——
その声は……琴沢補佐。
普段より低く、どこか冷静で、
昼とは、まるで別人。
きっぱりと言い切る声。
……え?
ちょっと、間に失礼しまーす
多分文字小さくて見えづらいと思うので
視点変えまーす
白羊視点
その言葉には、
怒りや焦りではなく——
“願い”のようなものが滲んでいた。
まぁ、当たり前だろう
鈴さんは、こう見えてもまだ十六歳だ
命を背負う物としては、若すぎる
昼のゆるい雰囲気からは想像できないほど、
重くて、真っ直ぐな気持ち。
気になる奴…か
多分あの子だろうなぁ
私も正直気になってましたし
コツ、コツ
気づいたら琴沢補佐の横には、
あの羊“わた”がのそのそ歩いていた。
と言って“わた”をなでる鈴さん
わたは気持ちよさそうにしている
“この何気ない空間がずっと続きますように”
なんて、淡い期待抱いてはダメなことはわかっている
でも、少しだけ期待してみたい
この、“美しくも儚い残酷な世界に”
な、いつの間にあんなに遠くに!
next
すみません、長くなっちゃいました笑













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。