12月30日。
優奈からのLINEは、例年通りの恒例行事のお知らせだった。
返信した私は、毎年恒例の年越し組、優奈、なおくん、私の3人で過ごすカウントダウンの準備を初めていた。
奈緒くんの真顔に吹き出しながら、リビングには笑い声が響く。
お菓子、こたつ、みかん、テレビ、このゆるっとした時間が、どこか安心感をくれた。
23時過ぎ。
2人がイチャイチャし始めたので。私は少しだけベランダへ出た。
外の空気は冷たくて、夜風には星が滲んでいた。
その時、ポケットの中、スマホが震えた。
心臓が跳ねる。
そして10分後。
近所の小さな神社の前。
雪こそ降ってないけれど、空気はピンと冷えていた。
私が境内の鳥居をくぐった時。
瑛宜ファ、手をポケットに突っ込んで、いつもの表情で立っていた。
言葉が、胸の奥で柔らかく響いた。
そう言って、瑛宜は自分のコートのポケットの中から、片手を出してきた。
ためらいながらも、その手にそっと指を絡めると、予想よりもずっと、手のひらが大きくて、あたたかかった。
瑛宜は、少しだけ俯いてから言った。
心臓が一気に跳ねた。
瑛宜は、私の手をもう少しだけ強く握った。
神社の鐘が鳴り始めた。
スマホの画面が0時を告げて、あたりに新しい年の空気が満ちていく。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。