それからも彼の動画をYou Tubeであさり続けた。
さっきみつけたseesawはライブ映像みたいだった。
意外だったことがある。
それは彼はラッパーでボーカリストじゃないこと。
イヤホン無しできく声には響きが全然感じられなかったことはこれで納得できる。
でも本職ラッパーの彼がこの曲を作詞作曲してることは違和感となり残ったまんまになった。
彼が作った他の曲を聞くとなるほどラッパーねっという感じの曲が多かった。
まだ全てを聞いたわけでもないけど、今まで聞いたイメージでは。
凄く興味を惹かれたのは、これぞラップみたいな曲にクラシック感のある楽器が加わってて、ラップに興味ない人生を送ってきたあたしにも、なんかかっこいいって思わせてくるところ。歌詞なんて韓国語でわかんないけどかっこいい。
おもちゃのチャチャチャみたいな肩から掛けるかわいい小太鼓とか、押せばなる楽器だから簡単だと言われて無理やり習わされて嫌いになったピアノとか、シンバルとか
あたしにとっては子供の頃の思い出である楽器達が
こんなにラップの曲に違和感なく溶け込んでて、それどころか昔から愛される楽器がよりその曲の迫力と説得力、存在感を確実に、無駄なくらいより堂々とせている気がして、忘れらなくなった。



第1印象は目立つほど色白の男性
2度目の印象は、
真っ白で実在していないと
思うほど儚げでいかにもか弱そうな反面
人が考えつかないアイデアを持つアイドルらしからぬアイドル。個性派でやや変わり者。ダンス中にあまり笑顔を見せず、
めちゃくちゃ取っつきにくそうでクールなオーラを放ちながら、踊る姿は何故かほんの少しユニークで、かつキュートだった。門 琉其という韓国人男性 今年29歳 だって事


ちょっとでも変わった考えや意見を言うだけでその人のことを恋愛対象から外したりディスりがちな、女友達の顔が浮かんだ。
そういう人が意外とこの世の中にはたくさんいる。
でもあたしは密かに、自分が変わってて
変な子だって事を認めてて内心誇りにしてる。
個性を自分の中で認めることってとても勇気が必要で、ましてやそれを表現するにはもっと勇気が必要だ。
個性をこの群集に向かって発言することは例え酷く叩かれようとも、覚悟の上だと思う。
そうだとしたらやっぱり自分の感じた事を感じるままに発言する人を尊敬してしまう。できればそう生きてみたいって密かに思ってるから。
ディスりがちな彼女も怖いからかも知れない。みんな自分の個性を認めて自由に生きようとする事が。そう思うと仁に被害妄想を抱く自分が彼女の気持ちもわからなくないって呟いた。




















夜に入らなかったお風呂
昨日も1日中家にいたけど
常にクーラーの効いた部屋にいれる訳じゃないから、身体はぺたぺたしていた。

朝から今度はあくびを吐く
永遠と続く決まりがない生活

人間活動をこれ以上奇妙にしちゃいけない

そいうい思いでスマホを伏せてだるい身体のまま立ち上がった

今日は湯船をはって入浴剤を入れよう。
白檀の香りがいいな。













朝の日差しがようやく正午の光になる頃
小さな窓からさしこむそれは穏やかで悪いものじゃない。
電気を付けないでこの時間に入るお風呂は寧ろ好きだった。
白檀に包まれて、入り込む日差しを見つめて湯船に浸かる。
お風呂の中はやや暗くて蒸気が立ち込めている。光が刺すことででできるコントラストの、闇と光2つが混在する部分で湯気がゆらめき上昇していく。
不規則で不安定な白い湯気が揺れる度に、不規則にされ不安定な仁との関係を思い出した。
その白い水蒸気の行く先はおおよそ
天上近くまで登った後、その先はふっと消え失せる。
それは再燃しそうな仁への苛立をも細く白く消してくれるようだった。



蝉の声がまだ聞こえる10月の始まり




















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