iw side
『夫婦』って言葉にもう動揺はない。
いつから言われ始めたのかは忘れたけど慣れすぎて今では軽く流せるようにまでなった。
ふっかもそう。
でも俺は『夫婦』って言われるのは意外と嬉しいと思っている。そこがふっかとの気持ちの違い。
ふっかは康二と俺ならどっちを選ぶんだろ。
康二は俺にとって弟みたいだと思っているけど、強敵だとも思っている。
見れば分かる。ふっかがいつもしている時計。康二に昔、貰ったやつ。付けてこなかった日なんてほとんどない。
どうやら俺はボーッとしていたらしい。
気づけばふっかの顔が俺の目の前に、あった。
思わずふっかを突き飛ばしてしまった。
ふっかの手を握って立たせる。
何度も握っている手なのに愛おしいと思ってしまう。
この手を離したくない、、
ラウールはきっと何か勘づいている。
ほら今もニヤって笑ったし。
この長い片想いの結末はいつくるんだろうか。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!