買い物を済ませたあと、
店から出てスマホの時間を確認すると、
時刻は15時前。
この後どうするかって話になって、
3人とも予定がなかったため、
近くのファミレスでお茶することになった。
店に入ると、中ではステーキのような
香ばしい匂いが漂い、
子連れの主婦やお年より客が、
ゆったりと食事を楽しんでいる。
店員さんに窓側のテーブル席まで
案内してもらうと、
俺と大ちゃんは横にならび、
梓ちゃんは正面にひとりで座った。
メニュー表からそれぞれ好きなのを選び、
注文を待つ間。
ドリンクバーまで、ジュースを取りに行く。
機械のボタンを押して、
コップ一杯にジュースがたまるのを
じっと見つめながら、
ふと俺はさっきの二人の
やり取りを思い出していた。
大ちゃんが彼氏の友達だとか、
俺よりも先に知り合っていたとか、
超モヤモヤするんだけど……。
俺が先に知っていたかった、
っていうのはワガママなのかなぁ……。
ハァ、と小さくため息をつきながら
コップを持って、ふたたび席へと戻る。
俺より先に戻っていた二人は、
運ばれてきたデザートやポテトに
手をつけていた。
大ちゃんに優しく笑みを向ける梓ちゃんに、
心臓あたりが重くざわついた。
こんなのただの何気ない
やり取りでしかない、のに。
いちいち反応するとか、
俺……どうしちゃったんだろう。
これじゃあ、大ちゃんに嫉妬してるみたいじゃん。……かっこわる。
なんとなく座るタイミングを掴めずに、
しばらくこのまま棒のように立ち尽くしていると、
大ちゃんに向いていた視線が、
いつの間にかこっちに向いて、
梓ちゃんが不思議そうに首をかしげた。
やっべ、今一瞬ぼーっとしてた。
まぁー、そのおかげで
梓ちゃんに話しかけてもらったけど!
少し気持ちをはずませながら、
席に腰をかけていると、
梓ちゃんの前に置かれた
オレンジジュースにふと目がいく。
意外だったので、
思わず口に出してしまった俺を、
梓ちゃんはまたまた不思議げに反応する。















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。