第9話

知り合いかよ
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2021/05/19 12:08 更新
買い物を済ませたあと、
店から出てスマホの時間を確認すると、
時刻は15時前。


この後どうするかって話になって、
3人とも予定がなかったため、
近くのファミレスでお茶することになった。



店に入ると、中ではステーキのような
香ばしい匂いが漂い、
子連れの主婦やお年より客が、
ゆったりと食事を楽しんでいる。


店員さんに窓側のテーブル席まで
案内してもらうと、

俺と大ちゃんは横にならび、
梓ちゃんは正面にひとりで座った。



メニュー表からそれぞれ好きなのを選び、
注文を待つ間。
ドリンクバーまで、ジュースを取りに行く。


機械のボタンを押して、
コップ一杯にジュースがたまるのを
じっと見つめながら、

ふと俺はさっきの二人の
やり取りを思い出していた。



大ちゃんが彼氏の友達だとか、
俺よりも先に知り合っていたとか、

超モヤモヤするんだけど……。

俺が先に知っていたかった、
っていうのはワガママなのかなぁ……。



ハァ、と小さくため息をつきながら
コップを持って、ふたたび席へと戻る。


俺より先に戻っていた二人は、
運ばれてきたデザートやポテトに
手をつけていた。

飛鳥馬大貴
飛鳥馬大貴
ここのポテト、めっちゃうまっ
桜樹梓
桜樹梓
ふふ、口のとこケチャップついてる
飛鳥馬大貴
飛鳥馬大貴
えっ!マジ!?どこどこ!

大ちゃんに優しく笑みを向ける梓ちゃんに、
心臓あたりが重くざわついた。


こんなのただの何気ない
やり取りでしかない、のに。

いちいち反応するとか、
俺……どうしちゃったんだろう。


これじゃあ、大ちゃんに嫉妬してるみたいじゃん。……かっこわる。



なんとなく座るタイミングを掴めずに、
しばらくこのまま棒のように立ち尽くしていると、


大ちゃんに向いていた視線が、
いつの間にかこっちに向いて、
梓ちゃんが不思議そうに首をかしげた。
桜樹梓
桜樹梓
……風神さん?
座らないんですか?
風神珀
風神珀
え?あぁ……っ、うん、座る!

やっべ、今一瞬ぼーっとしてた。

まぁー、そのおかげで
梓ちゃんに話しかけてもらったけど!


少し気持ちをはずませながら、
席に腰をかけていると、
梓ちゃんの前に置かれた
オレンジジュースにふと目がいく。

風神珀
風神珀
え!梓ちゃんって、
オレンジジュースとか飲むんだ!

意外だったので、
思わず口に出してしまった俺を、
梓ちゃんはまたまた不思議げに反応する。
桜樹梓
桜樹梓
え~どうして?
私だって人間だもの、飲みますよ。
風神珀
風神珀
いや……なんか紅茶とか、
カフェオレとか、オシャレなの
飲みそうなイメージだったから
桜樹梓
桜樹梓
ふふ、よくそれは言われます。
でも私としては、
自分の好みを優先にしたいから。
風神珀
風神珀
へぇ……なるほど

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