私がモデルを辞めたのには他にも理由があった。
楽しかったわ。乗せてもらえるページも多くなって。
だけど、とある雑誌企業の社長が出てきてから私の人生は狂い始めた
最初は普通の人だと思っていた。
いや、最初から違和感は感じてたけど、見て見ぬふりをしてたのね。
だってそうあって欲しかったから。
頭のてっぺんから足の先まで舐め回すような視線を送られて寒気がしたのも
妙に距離が近いのも
やたらと触ってくるところも
“きっと気のせいだ“
“わざとじゃないはずだ“
なんて、誤魔化して必死に取り繕って。
怖いじゃない。もしはっきり断りでもしたら?不快な思いをさせれば?
私はこの仕事ができなくなるかもしれない。
この社長はうちの事務所がペコペコしてるお偉いさんだった。だから配属してもらえた
ことがとても嬉しかった。
けれど、“あの日“はやってくる
いつも通り地獄のような1日を耐え切って、ぐったりして家に帰ろうとした時だった。
ねっとりした、下心のある声に寒気が走る













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。