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第15話

ℋᵅᵖᵖᵞ ℬⁱʳᵗᑋᵈᵃᵞ 11.11
1,989
2019/11/11 14:32
フョードル
フョードル
あなたさん。


彼の声で振り返る。

あなた

何ですか?



目が合った瞬間、彼が口角を上げて微笑んだ。

フョードル
フョードル
いえ、呼んだだけです。


彼がそう言う時は、大体何かある。


私は辺りを見回した。














ふと目にとまったのはカレンダー



今日は十一月十一日。

あなた

あぁ、用意してありますよ。今日のために。



私は一箱の菓子を取り出した。


フョードル
フョードル
これは?
あなた

ポッキーです。今日はポッキーの日ですから。


菓子の箱を受け取って暫く見つめる彼。
フョードル
フョードル
成程。ですが違いますよ。


そう言いながら箱を開けてポッキーを一つ取り出した。



あなた

違うんですか?
合ってると思ったんですけど……っんぐ?!



取り出したポッキーを私の口に突っ込んだ。


フョードル
フョードル
残念でしたね。


そう言って、私が咥えた方の反対側を咥え、食べ進めた。



私は驚きのあまり、咄嗟に目を瞑ってしまった。



すると、少ししてから“ちゅっ”と音を立てて唇が触れ合った。



フョードル
フョードル
今日はこれで我慢します。
あなた

っぇ、?



私は何が何だか分からず、惚けてしまった。

フョードル
フョードル
伝えていなかったですから、仕方ありませんね。
あなた

なっ、何がですか?



私は慌てて彼の服を掴む。


フョードル
フョードル
今日は僕の誕生日だったんですよ。















































やってしまった。


聞いていなかったとはいえ、何の贈呈品プレゼントも用意せず、お祝いの言葉も言っていなかったなんて…


あなた

ごめんなさい、真逆今日だったなんて知らなくて…

フョードル
フョードル
いえ。伝えていなかった僕も悪いですから。
あなた

でも…っ!



謝ろうと思った口を、彼の綺麗な手が塞いだ。

フョードル
フョードル
謝罪の言葉よりも、もっと違う言葉を聞きたいですね。
あなた

っ!




私は、口元に当てられた手を自身の両手で包み、彼を見つめた。






あなた

フェージャ。誕生日、おめでとうございます。












































【短くてすみません。ドス君難しい…】

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