第4話

STORY4
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2025/11/16 08:00 更新
ころん、1部屋貸してー



翌日、機材やら猫やらをもろもろ抱えて、俺はころんの家にやってきた。



は?え、住むの?
え、言ってなかったっけ?
聞いてない聞いてない!!!
だってこっちの方がお前安全じゃん



ここ借りるぞー、と一声かけてドアを開ける。



猫たちを離して、粗方荷物整理ができたところでリビングに向かう。



よし、ルールを決めようぜ
…はぁ?
その1、ころんは絶対に外出しない事
買い物とかはUberとかネットで済ませろ
その2、配達物とかの受け取りは全部俺がする
検品も俺
その3、取り敢えず換気!
ここ息詰まる!!



勢いで言ってから、窓をぴしゃりと開けた。



久しぶりの太陽の光なのか、ころんはギュッと目を瞑った。



冷たくて新鮮な空気が部屋へ流れ込む。



ちょ…スナイパーとかに撃たれたらどうすんのさ!
大丈夫、そんな明白に他殺だと分かる馬鹿な殺し方はしないと思う
資産相続が狙いだろ?
他殺だと分かったら遺産相続なんて以ての外だわ
それに、日本だぞここ
はぁ…



取り敢えず納得したようで、彼はココアに口を付ける。



あと、猫たちも連れてきたから
たぴちゃんは?
あぁ、向こうの部屋に…って、?!
ちょっと待って、カナちゃんは?!



慌てて辺りを見渡すと、鳥籠の中で震えている鳥の姿が。



下には猫が物珍しそうに群がってる。



だからその‘’カナちゃん‘’って名前やめろって
そいつオスだろ
めっちゃ女の子っぽいじゃん
それ言うなら‘’さとみ‘’も女の子っぽいけど?
男女差別禁止ー!
 う゛っ



完璧に返されて言葉が出ない。



クソ、こいつに負ける日がくるとは…



てか、なんで飼い始めたんだよ
ん?一目惚れ
綺麗だなーと思って
…いや、嘘だな
そんな理由じゃないだろ
もっとあるはず
えぇ?ん〜、強いて言うとしたら、ね





僕に、似てたからかな


ころんに?
うん___


この子はね、もう外の世界じゃ生きていけないんだよ
だって餌の取り方は知らないし、敵はいっぱいだし
けど、この檻の中にいれば安心
危険から守ってくれる
僕も、この家に居れば取り敢えず安心だし



…そう、か



ころんにとって、この家は‘’檻‘’。



檻と言ったらあまりいいイメージはないが、身を守ってくれるものでもあるんだ。



動物園で、猛獣と人間を隔てる檻と一緒。



じゃ、早くお前を檻から出してやんねぇとな
はっ、自分も檻に入ってきたくせに
馬鹿か、檻に変なのを入ってこさせないようにする為だよ
だから外の敵をまず全部倒さないとな


…なーくんに、報告はしないの?
…しない
だってお前、もうこれ以上周りを巻き込みたくないだろ?
…!!
__わかってんじゃん
だろ?



顔を見合わせて微笑む。



窓からは、鳥の囀りと陽の光が部屋に舞い込んでいた。




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