夕日が顔を出す時間になると、何を思ったのかいるまはこんなことを提案してきた
いるまのいう恋人っぽいこととは、スマホで2人の写真を撮ることだった
すっ (近
俺がポーズに悩んでいると、いるまが急に顔を近づけてきた
いるまとはいえイケメンが顔を近づけてくるものだから、
俺はらしくもなく顔を赤くしてしまう
どうやら俺に「彼氏は無理できない」と煽られたのが
気にくわなかったらしい
こてっ (頭
いるまにやられるのは悔しかったため、隣にいるいるまの肩に頭を乗せる
オレンジ色の空が背景となっている教室で撮ったその写真は
俺が楽しげにピースをし、いるまが顔を真っ赤にしている
というものだった
その後はLINEを交換し、その写真を送ってあげた
お互い待受画面に設定しようかと提案すると、いるまに
即答で断られた
お互い電車通学だということもあり、駅まで一緒に歩いて帰る
いるまは楽しそうに俺の影を追っていた
学校近くの駅から最寄り駅までは、同じ方向に俺が三駅で
いるまは四駅の距離にあることが分かった
電車に乗っているのは十分に満たない時間だったが、並んで
座席に腰かけてお喋りをするのは、なんともいえないむず痒さがあった












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!