第29話

やっぱり
624
2020/07/15 21:51
~あなた~
それからしばらくして、スタッフさん達が来た。
カメラとかの機材は、初めて来た時からずっと、お店の奥の方に置いてて
軽い、小さなものしか持ってこないから、楽そうで安心。
・・・初日はね、すごかった。
よくあんなに重たいもの持てるよなぁ。




亜嵐
亜嵐
さ、始めよっ。


スタッフさん達も一息着いたところで、さっそく始まった撮影。



なんてことないカフェなのに、
カメラマンさんは、いろいろなショットをとる。


・・・ほんと、すごいや。




このお店だけで、きっと何ページ分も撮れるんだろうな。


やっぱり、プロだ。
チエさん
あなたちゃん、
あなた

はい、?

チエさん
やっぱりさ、、毎日、おいでよ。
あなた

・・・・・・。

チエさん
あなたちゃんね、亜嵐くん達といると楽しそうだよ。





・・・そりゃあ楽しいよ。

だって、大好きな人と一緒にいるんだもん。



でも、


いつか絶対、辛くなる。
苦しくなる。




私と亜嵐くんの間には、とてつもなく大きな壁があって、
越えることなんてできない。


それに私は耐えられるかな。







結局は、自分を守るため、なんて最低過ぎるよね。






あなた

・・・考えてみます、



・・・断りたかったはずなのに、
思いもよらない自分の言葉。










あっという間に撮影が終わって、
機材は片付けに入っている。






亜嵐
亜嵐
あなたちゃんっ、
あなた

っ!

あなた

は、はい、っ

亜嵐
亜嵐
めっちゃ驚くじゃんw



・・・急に話しかけないで欲しかった、、


亜嵐
亜嵐
・・・あのさ、
亜嵐
亜嵐
あなたちゃん、もう会えないってほんと、?


2人きりで、時間が止まったようだった。


亜嵐
亜嵐
俺さ、また会いたいよ。あなたちゃんに。
あなた

・・・・・・。

あなた

・・・私も、です、




ほんと単純だな、私。

亜嵐くんの言葉だけで、

不安だったことが全部吹っ飛んでいく。





チエさん、私決めた。








・・・また、毎日ここで働きたい。

プリ小説オーディオドラマ