~あなた~
待って待って、無理、
お、送る、!?
無理無理っ!
それって2人で、?
無理無理っ!?
え、嘘でしょ、!
・・・どうしよう、
隣では、マスクと帽子をつける亜嵐くん。
・・・うん、もう無理だ。
大人しくエプロンを脱いで、私も帰る準備をする。
うそうそ、無理過ぎる、
お店を出て、タクシーを止める。
あ、
これ、撮られたらどうする、?
ていうか、なんで私、断らなかったんだろう。
あぁ、ほんとバカだ。
・・・今からでも、、遅くない、?
どうしよう、、
・・・どうしよう、
・・・どうしよう、っ
・・・どうしよう、っ!
・・・きっと今度はないでしょう。
て、ていうか、送ってもらう雰囲気になっちゃってるし、!
あぁもう、タクシーで2人とか無理、
運転手さんもいるけど無理、
・・・だから送らなくていいのに、
ぺこって頭下げて、そそくさと乗り込んだ。
・・・いいんだよ、亜嵐くんの方を見なきゃいいだけ。
住所を告げ、走り出したタクシー。
私、家に着くまでやりきれるかな、、
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!