その小鳥は、他よりも色が地味に違った。
歌声はマイクを通しても聞こえず、誰も寄らない。
色は地味に違うけど、必死に他の小鳥に馴染もうとしている。
でも、どこか隠せなくって。
どれだけ他の小鳥に優しくしても、
どれだけ他の小鳥を手伝っても、
どれだけ周りに合わせようとしても、
その小鳥は、いつも
他の小鳥の視界から消える。
自分から消えにいく。
そんな日常なんて、ほぼ当たり前。
そうでもしないと、目立ってしまうから。
誰かの眼の中に入ってしまえば、自分はただの獲物同然。
だからせめて、姿だけでも似せることができるなら。
自分が異端者だと気づかれないようにできるなら。
そうやって、今日も。
彼女は、果森 雪菜は。
救世主を待っている。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。