〈 ハンビン side 〉
リビングのソファーでのんびりしていると、
キッチンから顔をひょこっと覗かせたハオヒョンに
そう尋ねられた。
実はハオヒョンが来る数十分前にも、
同じような質問をみんなから聞かれたところだった。
一人だけじゃなく、メンバーみんなからね。←
ボソッと、何かを呟くハオヒョン。
中国語、だったよね?
全部は聞き取れなかったけど。
それに小声だったし。
……なんて言ったんだろう。
突然の質問に、思わず頭の中が真っ白になる。
僕の目を真っ直ぐ見て、そう言うハオヒョン。
" 本気なんだ "
ということが嫌でもしっかりと伝わってくる。
ユジナもそうだったけど、やっぱりハオヒョンもだったんだ。
多分だけど、あなたの下の名前ちゃんのことを意識してるのは
この二人だけじゃないと思う。
なんかそういうのって、空気感でわかるよね。
別に、分かりたくも知りたくもないのにさ。
そう言って、少し辛そうに笑うヒョン。
………ダメだよね。
この状況で自分の気持ちを言わないなんて。
ハオヒョンだって本気で話してくれてるのに、自分だけ逃げるなんてことしちゃ。
ハオの目を見ながら、そう伝えるハンビン
『 やっぱりハンビナもライバルか〜ㅎㅎ 』
僕の返答を聞くや否や、笑いながらそう言う。
でも、その表情は
どこか吹っ切れているようにも感じられた。
やっぱり、ハオヒョンには負けたくないな〜…ㅎ
ま、誰にも負けたくなんてないけどね。
〈 ジウン side 〉
部屋中のどこを探しても、一向に見つかる気配のない俺のスマホ。(
……あれ、おかしいなぁ。ついさっきまで触っていたのに。
一体どこに置いてきてしまったのだろうか。
そうだ、あの時はたしか、
キッチンでドリアンを切るハオから、
逃げるのに夢中になっちゃってて スマホの存在を
忘れて部屋に来たんだった。(
そのことを思い出し、
自分の部屋から出てリビングへと向かった。
でも、それが良くなかったみたい。
そう思い、ドアノブに手をかける。
ドアを開けようとした時、そう誰かに話しているハオの声が聞こえてきた。
わかってはいた、ハオのあなたの下の名前ちゃんに対する気持ちなんて。
むしろ、知らないふりをするほうが難しいぐらい。
でも、いざその気持ちを直接耳にするのは、思っていた以上に胸が強く苦しめられ辛かった。
そうだんだん心の中が、真っ黒に染まっていく。
あぁ、早くここから動かないと。
これ以上、可愛い弟たちに対してこんな感情を抱きたくない。
そんな自分の気持ちとは裏腹に、身体は硬直してしまい全くと言っていいほど動けそうにもない。
もうやめろって、そんなこと聞きたくないだってば。
俺に追い打ちをかけるかのように、そうハオに自分の気持ちを伝えるハンビナ。
ハオとハンビナ…
いや、みんなか。みんながあなたの下の名前ちゃんのことを__
………こんなの、こんなのってあんまりなんじゃない…?ㅎ
だって、俺のほうが、俺のほうがもっと
……いや、違う。
誰にも負けないくらい、俺はあなたの下の名前ちゃんのこと
神様、どうか教えてください。
こんなにも自分勝手な俺は、一体どうすればよいのでしょうか。
あなたの下の名前ちゃんが、彼女が俺だけを見てくれるためには、一体何をしたらよいのでしょうか。
もし、彼女が手に入るのであれば、俺はなんだってしますから__
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。