リヴァイs.
扉を閉める音が、やけに大きく響いた。
エルヴィンの執務室は静かだ。
整理された机、書類、地図。
何もかもが“判断のための部屋”。
……反吐が出る。
エルヴィンは振り返らない。
窓の外を見たまま、淡々と口を開く。
その瞬間、我慢が切れた。
一歩で距離を詰め、
襟元を掴んで壁に叩きつける。
拳に力が入る。
殴らない。
だが、抑えもしていない。
はじめて声が、震えた。
エルヴィンは、抵抗しない。
それが余計に腹立たしい。
胸の奥が、ぎしりと軋む。
掴んだ襟を引き寄せる。
一瞬、沈黙が落ちる。
エルヴィンは、ゆっくりと言った。
――その言葉は、刃だった。
一瞬、力が抜ける。
それを逃さず、エルヴィンは静かに続ける。
喉が詰まる。
俺は襟を離した。
殴らなかった。
それが、敗北みたいで。
その言葉が、胸に残る。
俺は振り返らず、部屋を出た。
――選ばせる。
世界じゃない。
エルヴィンでもない。
俺が。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。