零夜が大木に近づくと石版があることに気がついた
だが、残念なことに石版はボロボロで
手に持った瞬間石版は砕け散った
そんな女性の声がして零夜が振り返る
すると真希は何処かへ消えていた
真希の代わりのように白髪の女性が佇んでいた
そう女性は言い、1歩1歩零夜の方へ向かった
零夜は警戒心から後ろへ少しずつ下がるが
女性は零夜と2mほど間隔を取って止まった
その言葉に女性は「私たち…ですか」と小声で言った
零夜はいつでも逃げれるように体制を整えた
そう一言言うと零夜は口を閉ざした
白髪の女性はそれ以上は追求しなかった
零夜はその言葉に疑問を抱いた
そして次の女性の発言は驚くべきものだった
なぜ血縁について語る必要があるのか
そして零夜だけならまだしも「達」ならば
他にもそのような人がいるということが予測できる
そこまで考えて零夜は混乱した
零夜はあの言葉の意味について問いただそうとしたが
女性がそういった瞬間に
激しい目眩と頭痛に襲われ、抗いきれず倒れた
目覚めたら見覚えのない病院でもなさそうな天井
そんな天井が目の前に広がっていた
視界の端からどこかへ消えたはずの真希が出てきた
零夜はムカつくけれども必要な情報なため
文句1つ垂れずに真希の話に耳を貸した
真希の話によると
零夜から目を離した瞬間真希は元の学園へ戻った
時間は昼休憩が終わり、5時限目が始まった頃だった
零夜救出に向けて何か案を考えてみるが
もう一度あの不思議な世界へ行く方法がわからず
ずっとその場で待っていたらしい
すると放課後、やっと俺が広場に現れたらしい
発見時は零夜は倒れていたが、
ただ眠っているようだったらしい
そんな零夜を保健室まで引っ張り看病していたらしい
零夜の問いに真希は表情を曇らせた
零夜はなんとなく現状を察しベッドから降りようとする
だがいざ立ち上がろうとすると力が入らなかった
真希も珍しく心配した声で零夜に語りかける
零夜は動揺していた。その理由は2つある
1つは立てないこと
もう1つは…
そう、何故か能力が使えなくなっていたのだ
そうして零夜は異能力者専用の病院へ運ばれて行った
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。