第11話

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2022/09/14 06:59
零夜が大木に近づくと石版があることに気がついた
だが、残念なことに石版はボロボロで
手に持った瞬間石版は砕け散った
あら?珍しいですね
そんな女性の声がして零夜が振り返る
すると真希は何処かへ消えていた
真希の代わりのように白髪の女性が佇んでいた
零夜
…どちら様でしょうか
ここの管理人のような者です
零夜
先程までそこに居た女性はどうしました?
大丈夫ですよ
元の場所へ戻っただけですから
そう女性は言い、1歩1歩零夜の方へ向かった
零夜は警戒心から後ろへ少しずつ下がるが
女性は零夜と2mほど間隔を取って止まった
零夜
何か目的がおありで?
貴方こそ
こんなところへどんな用で?
零夜
…私たちはただ迷ってしまっただけです
その言葉に女性は「私たち…ですか」と小声で言った
零夜はいつでも逃げれるように体制を整えた
1つ質問をしてもよろしいでしょうか?
零夜
はい、大丈夫です
…貴方は
超能力や呪いについて疑問や
嫌悪感を持ったことはありますか?
零夜
…ありますね
そう一言言うと零夜は口を閉ざした
白髪の女性はそれ以上は追求しなかった
ありがとうございます
また近頃会いましょう
零夜はその言葉に疑問を抱いた
そして次の女性の発言は驚くべきものだった
次は貴方達のことでも話しましょう
そして…血縁についても
なぜ血縁について語る必要があるのか
そして零夜だけならまだしも「達」ならば
他にもそのような人がいるということが予測できる
そこまで考えて零夜は混乱した
零夜はあの言葉の意味について問いただそうとしたが
さよなら…
女性がそういった瞬間に
激しい目眩と頭痛に襲われ、抗いきれず倒れた
目覚めたら見覚えのない病院でもなさそうな天井
そんな天井が目の前に広がっていた
真希
あ、起きた
零夜
…は?
視界の端からどこかへ消えたはずの真希が出てきた
真希
まぁ今の状況を説明してあげようじゃない
零夜はムカつくけれども必要な情報なため
文句1つ垂れずに真希の話に耳を貸した
真希の話によると
零夜から目を離した瞬間真希は元の学園へ戻った
時間は昼休憩が終わり、5時限目が始まった頃だった
零夜救出に向けて何か案を考えてみるが
もう一度あの不思議な世界へ行く方法がわからず
ずっとその場で待っていたらしい
すると放課後、やっと俺が広場に現れたらしい
発見時は零夜は倒れていたが、


ただ眠っているようだったらしい
そんな零夜を保健室まで引っ張り看病していたらしい
零夜
…なぁ
真希
何?
零夜
亜紀は?
零夜の問いに真希は表情を曇らせた
零夜はなんとなく現状を察しベッドから降りようとする
だがいざ立ち上がろうとすると力が入らなかった
真希
どうしたの?
真希も珍しく心配した声で零夜に語りかける
零夜は動揺していた。その理由は2つある
1つは立てないこと
もう1つは…
零夜
能力が使えない…
真希
…は?
そう、何故か能力が使えなくなっていたのだ
零夜
…救急車
真希
了解
そうして零夜は異能力者専用の病院へ運ばれて行った

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