テオが来て一週間が経った。
早い。とても早い。
テオは今日もテオくんとギャーギャー言い合っている。
そろそろ慣れてきてしまった。
いつもより子どもっぽいテオくんに自然と顔が綻んでいくのが自分でもわかる。
とテオくんが何か思い出したように言う。
何故か心臓がドキドキしてしまう。
テオくんから何処か行こうと言われると、どうしてもデート…みたいだなと思ってニヤけてしまいそうになる。
今日はテオくんと2人でデートです。
✌🐎🐇✌🐎🐇✌
11月の夜はそれなりに冷え込む。
白い息を吐きながら隣で歩いているじんたんをバレないように見つめる。
そう言って擦り合わせているじんたん手を、そっと取って俺のパーカーのポケットに入れる。
じんたんは寒いせいだからか、頬が真っ赤になっている。
イルミネーションの光る道を2人でゆっくり歩きながら動画の事やこれからしたい事を話した。
じんたんはステップを踏みながら走っている。
くるくる回ったり、跳ねたり。
そんな可愛い姿に思わず見とれてしまった。
信号が青に変わって、じんたんが「早く早く!」
と言って渡ろうとした時だった。
車の急ブレーキの音が耳に響き渡る。
トラックのライトで照らされたじんたん。
クラクションが甲高い悲鳴をあげる。
「じんたんが、轢かれる」
俺は咄嗟に腕を伸ばし…
その後の事は覚えていない。
……To be continued
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!