第4話

マゼルナ キケン。
1,246
2018/03/11 15:17
テオが来て一週間が経った。
早い。とても早い。

テオは今日もテオくんとギャーギャー言い合っている。
そろそろ慣れてきてしまった。
じんたん
もー…2人ともやめてよ
テオくん
だってコイツがぁ…
テオ
お前もだろ!
いつもより子どもっぽいテオくんに自然と顔が綻んでいくのが自分でもわかる。
テオくん
あ、そういえば
とテオくんが何か思い出したように言う。
じんたん
どうしたの?テオくん
テオくん
あ、いや今日さ
じんたんと行きたい場所があって…ね?
じんたん
う、うん
何故か心臓がドキドキしてしまう。
テオくんから何処か行こうと言われると、どうしてもデート…みたいだなと思ってニヤけてしまいそうになる。
テオくん
まだ11月だけど、イルミネーションが始まったらしくて…
一緒に行かない?
じんたん
え、い…行く!行くに決まってる!
テオくん
良かった。じゃあ今日の夕方から向かお!
じんたん
うん!あ、テオはどうするの?来るよね?
テオ
…いや、俺は行かねぇ
じんたん
え!?なんで?
イルミネーション行こうよ!
テオ
そういうのは興味ねぇんだ。2人で行ってこいよ
じんたん
わ、わかった…
テオくん
今日はテオくんと2人でデートです。
✌🐎🐇✌🐎🐇✌
11月の夜はそれなりに冷え込む。
白い息を吐きながら隣で歩いているじんたんをバレないように見つめる。
じんたん
さっむいねぇ…
そう言って擦り合わせているじんたん手を、そっと取って俺のパーカーのポケットに入れる。
じんたん
え!?テオくん!?…
テオくん
寒いんでしょ。こうすれば暖かいじゃん?
じんたん
う、あ、…うん
じんたんは寒いせいだからか、頬が真っ赤になっている。
イルミネーションの光る道を2人でゆっくり歩きながら動画の事やこれからしたい事を話した。
じんたん
いつかもっと大きなライブとかしてみたいよね!
テオくん
そうだね…
スカイピース色のペンライトで埋まった大きな会場…じんたんとその景色見てみたいな
じんたん
ね!テオくん、頑張ろうね
テオくん
あぁ
じんたんはステップを踏みながら走っている。

くるくる回ったり、跳ねたり。

そんな可愛い姿に思わず見とれてしまった。
テオくん
あ、じんたんそっち車通り多いから気をつけてね?
じんたん
大丈夫、大丈夫!
信号が青に変わって、じんたんが「早く早く!」
と言って渡ろうとした時だった。
車の急ブレーキの音が耳に響き渡る。

トラックのライトで照らされたじんたん。

クラクションが甲高い悲鳴をあげる。


「じんたんが、轢かれる」

俺は咄嗟に腕を伸ばし…
テオくん
じんたん!!!危ない!!!!!
じんたん
えっ…
その後の事は覚えていない。
……To be continued

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