私が濁っていると、ヨゾラ様は何を思ったのか自分がここにいる理由を話してくれた。
ヨゾラ様は自分のことについて話してくれた。
彼女はこの家の本当の娘ではなく、再婚相手の子供だったらしい。
でも、再婚した後直ぐにお母様は亡くなられ、家では『どうしてお母様が死んで、あなたが生きているの!?』と毎日悪口を言われ罵られているらしい。
さらに、魔力も弱くこの家にとってはいらない存在。
そして、役ただずなのだそうだ。
こんな話を聞いて、普通なら励ましたりするだろう。
でも、私はそれよりも気になったことがあった。
私は、今のを聞いてやっと思い出した。
【ヨゾラ・コルボイ】
この国の第四王子 コロンの婚約者
とても明るく、美人で魔力も高い優等生。
コロンに恋心を抱いており、尊敬している。
確か、こんな設定だったはず……
てか、ヨゾラ・コルボイもあなた・ルージュのことは苦手な設定だったけど……
私が思考錯誤を繰り返していたら、ヨゾラ様が話しかけてきた。
質問か~…と思った時、1つ気になることがあったのを思い出した。
私は、前々からずっと疑問に思っていたことがあったのだ。
1週間くらい前から、何故か私の畑で野菜が育たなくなっていた。
私はその原因が分からず、ずっと調べていたのだが……
とても素晴らしい庭を作っている庭師さんに直接聞こうと、"今"思いついたのだ。
私は、そう言って彼女の手を取った。
や、やってしまったぁぁぁぁぁ!!
いきなりこんなことされたら、誰でも嫌だよね!?
謝らないと!!!
そして、私とヨゾラは仲良くなった。
ヨゾラは何度も私の御屋敷に来てくれて、2人で研究に研究を重ね、ついに野菜を育たせることができた。
そして、私はこっちの世界に来て、初めての女友達ができた。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。