第9話

あなたの手は魔法の手
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2020/07/12 08:28
ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
ど、どうしてこちらに!?
(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
あ…えっと~…

(お花を積みに行っていて、道に迷ったなんて言えないッ!!)

私が濁っていると、ヨゾラ様は何を思ったのか自分がここにいる理由を話してくれた。

ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
私は、パーティーを抜け出してきました。私なんかいない方が、きっと楽しいですし…
(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
そんなこと‪…ないと思いますけど…
ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
そう言ってくださるのは、あなた様が初めてです…
ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
私は、何もかもが役ただずで、この家でもいらない存在なんです。

ヨゾラ様は自分のことについて話してくれた。




彼女はこの家の本当の娘ではなく、再婚相手の子供だったらしい。

でも、再婚した後直ぐにお母様は亡くなられ、家では『どうしてお母様が死んで、あなたが生きているの!?』と毎日悪口を言われ罵られているらしい。


さらに、魔力も弱くこの家にとってはいらない存在。



そして、役ただずなのだそうだ。






こんな話を聞いて、普通なら励ましたりするだろう。

でも、私はそれよりも気になったことがあった。

(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
(この生い立ち…やっぱりどこかで聞いた事ある気がする……)
(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
(あ!思い出した!!!)


私は、今のを聞いてやっと思い出した。






【ヨゾラ・コルボイ】

この国の第四王子 コロンの婚約者
とても明るく、美人で魔力も高い優等生。
コロンに恋心を抱いており、尊敬している。






確か、こんな設定だったはず……
(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
(なんで今まで気づかなかったんだろ……あ、そっかゲームで見た時と印象が違うからだ!)
(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
(てか、ヨゾラ・コルボイは主にコロンルートにしか登場しない。ルゥトとリイヌルートでは私が邪魔者だけど、コロンルートではヨゾラ・コルボイが主に邪魔者として出てくるのよね……)
(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
(この子が明るくなれたのも、コロンと出会って励ましてもらったからだったはず…まだこんな性格ってことはまだ出会ってない…??)

てか、ヨゾラ・コルボイもあなた・ルージュのことは苦手な設定だったけど……



私が思考錯誤を繰り返していたら、ヨゾラ様が話しかけてきた。

ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
あ、あの~……
(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
!!!( ゚д゚)ハッ!!!!
ご、ごめんなさい…ちょっと考え事をしていて…
ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
考え事…ですか…?
(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
え、えぇ…( ˊᵕˋ ;)💦
ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
私でよろしければ、お話を聞きますよ?私も聞いてもらいましたし…
あ、嫌でしたら断って下さっても……

質問か~…と思った時、1つ気になることがあったのを思い出した。


私は、前々からずっと疑問に思っていたことがあったのだ。

(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
あ!なら聞いて欲しいっていうか、お願いがあるの!!
ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
お願い…ですか?
(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
この庭を作っている庭師さんを私に紹介して欲しいの!!
ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
え!?
(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
実は___

1週間くらい前から、何故か私の畑で野菜が育たなくなっていた。


私はその原因が分からず、ずっと調べていたのだが……


とても素晴らしい庭を作っている庭師さんに直接聞こうと、"今"思いついたのだ。
(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
と、言うことで!
庭師さんを教えてくれませんか?
ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
えっ…と……
(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
さ、さすがに…無理…よね……
ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
い、いえッ!
全然いいのですが…
(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
ん?( ˙꒳​˙  )
ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
実は…この庭を……作っているのは…
わ、私…なんです…
(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
え…Σ(*oωo艸;)エェ!?
す、すごいわ!!
こんな素晴らしい庭園を作れるなんて!!
ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
い、いえ…そんなことはッ!!
私なんかより他の方が育てた方が……
(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
いえ!私はヨゾラ様だからこそ、こんなに綺麗な庭園を作れたのだと思います!!


私は、そう言って彼女の手を取った。

ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
あなた…様!?
(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
あなたの手はまるで魔法の手ですね!
ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
魔法の手…?
(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
花たちをとっても綺麗に咲かせて、その花を見た私たちが明るく、笑顔になることができるじゃないですか!!
ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
ッ…!!
(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
ヨゾラ様は、自分の評価を下げているようですが、上げていいのですよ!!
ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
あ…あのッ!あなた様!!
(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
……あ


や、やってしまったぁぁぁぁぁ!!


いきなりこんなことされたら、誰でも嫌だよね!?


謝らないと!!!
(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
い、いきなり手を掴んでごめんなさいッ!!
ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
い、いえ!それは別にいいのですが……
ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
その…そんな風に言って貰えて嬉しかったです…!
ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
もし、私でよろしければお手伝いしたいです!
野菜は育てたことないですが……
(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
い、いいの!?
ありがとう!!!
ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
そ、それと…私の事は"ヨゾラ"と呼んでくれませんか?
(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
ッ!
えぇ!もちろん!!
私のこともあなたと呼んでね!
ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
はい!!

そして、私とヨゾラは仲良くなった。


ヨゾラは何度も私の御屋敷に来てくれて、2人で研究に研究を重ね、ついに野菜を育たせることができた。

(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
ありがとう、ヨゾラ!!
ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
いえいえ!!
私もお役に立てて光栄です!!
ヨゾラ・ゴルボイ
ヨゾラ・ゴルボイ
あの、これからもたくさん遊びに来てもいいですか?
(なまえ)・ルージュ
あなた・ルージュ
えぇ!もちろん!!



そして、私はこっちの世界に来て、初めての女友達ができた。























リイヌ・ルージュ(莉犬)
リイヌ・ルージュ(莉犬)
いつの間にか仲良くなってるし……
リイヌ・ルージュ(莉犬)
リイヌ・ルージュ(莉犬)
てか、今回の話
俺、空気じゃない?

















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