第10話

心配で(エンペラー)
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2023/10/21 21:26 更新
一人部屋で帰りを待つ。
エンペラーさんと付き合い始めてから、まだ半年かたっていないというのに。
別に特別帰りが遅いわけじゃないし、エンペラーさんが私に優しくしてくれるし、大切にしてくれることも分かっている。

でも。

特別バトルが強いわけでもない、何かすごい自慢できるような個性があるわけでもない、容姿も普通、こんな私でいいのだろうか。

こんな事を相談したら、エンペラーさんは優しいから、きっと変に気を使わせてしまう。

その優しさに甘えたくなくて。

あなた
…………ハァ。
いつもはこんな事は考えない、いや
考えないようにしている。

でも、ふと一人になると悶々と考えてしまう。


「彼女として、エンペラーさんには釣り合わない。別れたら?」
と言われた。
おそらくファンの子の嫌がらせか、嫉妬だ。
そう割り切って相手にしなければいい。
……そうなんだけど。
あなた
「釣り合わない」、かぁ。
重い何かがずっと私の心に刺さったまんまだった。
あなた
たしかにそうかも知れない。

私は色々考えた。どうすればいいか。
考えついた挙げ句、ネットで見つけた方法を試してみることにした。

__カチッ
私は静かにカッターの刃を出す。
楽に死ねるらしい。
あなた
これなら、迷惑かけないよね。
私の手首に合わせて、静かに刃を下ろす。
そのまま________

 
バンッ‼
勢いよくドアが開いた。
エンペラー
あなたッ!
あなた
あ、え、エンペラーさん……
エンペラー
何をしている!今すぐやめろ!
素早く私の手からカッターを奪い取る。
かなり取り乱しているようだ。
なんでそんなに私のために……
エンペラー
……はぁ。 なんでこんな事をした?


あなた
__っ私、エンペラーさんとは釣り合わないから、こんな私といて迷惑じゃないかって心配になって……
エンペラーさんが、呆気にとられたような顔で、でも真剣に私の話を最後まで聞いてくれた。

エンペラー
…あなた、そんな事を気にする必要などない。オレはあなたのことが好きだ。
その気持ちは変わらない。
あなた
え…
エンペラー
だから、もう二度とこんな事をするな。いいな?
あなた
……はいっ。
その言葉が嬉しくて、今までの苦しさが少しずつ解けていく気がして。
子供のように私は泣いてしまった。

〜END〜

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