一人部屋で帰りを待つ。
エンペラーさんと付き合い始めてから、まだ半年かたっていないというのに。
別に特別帰りが遅いわけじゃないし、エンペラーさんが私に優しくしてくれるし、大切にしてくれることも分かっている。
でも。
特別バトルが強いわけでもない、何かすごい自慢できるような個性があるわけでもない、容姿も普通、こんな私でいいのだろうか。
こんな事を相談したら、エンペラーさんは優しいから、きっと変に気を使わせてしまう。
その優しさに甘えたくなくて。
いつもはこんな事は考えない、いや
考えないようにしている。
でも、ふと一人になると悶々と考えてしまう。
「彼女として、エンペラーさんには釣り合わない。別れたら?」
と言われた。
おそらくファンの子の嫌がらせか、嫉妬だ。
そう割り切って相手にしなければいい。
……そうなんだけど。
重い何かがずっと私の心に刺さったまんまだった。
私は色々考えた。どうすればいいか。
考えついた挙げ句、ネットで見つけた方法を試してみることにした。
__カチッ
私は静かにカッターの刃を出す。
楽に死ねるらしい。
私の手首に合わせて、静かに刃を下ろす。
そのまま________
バンッ‼
勢いよくドアが開いた。
素早く私の手からカッターを奪い取る。
かなり取り乱しているようだ。
なんでそんなに私のために……
エンペラーさんが、呆気にとられたような顔で、でも真剣に私の話を最後まで聞いてくれた。
その言葉が嬉しくて、今までの苦しさが少しずつ解けていく気がして。
子供のように私は泣いてしまった。
〜END〜












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。